気の早い人のための夏インターン対策 ES編

この間の夏インターン記事に続けて、そろそろ就活を意識し始める気の早い新3年生(2012年卒)に向けて、僕がES(エントリーシート)を書くときに気をつけていたポイントをご紹介しようと思います(´・ω・)


ただし、僕自身は巷で売っている「ESの書き方」「内定なんとか ES編」のような本を読んだことがないので、完全に自己流です。おそらく、ブログを書くときに使っているのと全く同じ作文技術を使っているはず。参考にして書いて落ちたらごめんなさい。それでも、インターンと本選考合わせて30回位ESを出して、落ちたことは2回(ともに日系シンクタンクの夏インターン)しかないので、多分少なくとも外資系企業に関しては就活のESに独特のルールがあるわけではなく、正統派の作文をすれば十分通るのでしょう。


僕が気をつけているのは以下の5点です。非常に簡潔。順番に説明していきますね。


・結論を最初に言う
・質問に、質問だけに答える
・会社のことでなく、自分のことを書く
・最大限差別化できる内容を書く
・文章にこだわる


結論を最初に言う

文章を書く上で、常に意識しなければいけないことが一つあります。それは、あなたの文章の結論や構造について、あなたは既に知っているが、読み手はそれを知らずに頭から読んでいるということです。例えば、書き終わった文章をあなたが見直しているとしましょう。文章の最初で例え前置きや前提の提示が長々と続いても、あなたは既に文章の結論を知っていますから、その記述の全体に占める位置や意味合いがわかっています。しかしその文章を知らない読者に読ませたら、読者はその前起きや前提部分だけを読んで、全体に占める位置や意味合いを予測・頭に置いて読まなければなりません。これは非常に労力のいることですから、それが現代文の試験でもない限りは読み飛ばされてしまうことでしょう。何百枚も学生の面白くない文章を読まされて疲れているESの採点官も、きっとその読者と一緒です。


人に見せる文章を書く時の原則は、読み手がその文章に強い興味を持っているか定かでない場合、必ず結論を最初に言うことだと僕は考えています。「あなたの理想の将来像について書いてください」と言われた時、「私は理想としている将来像は●●です。理由は2つあります…」と書き始めれば、読み手は次にどのような話が来るのか予測して準備できるので、ストレスなく文章を読むことができます。そこを「私は中学生の頃に山で遭難して…」と書かれたら、相当面白くない限りストレスがたまるでしょう。斜め上の解答を公然と求めてくる変な企業でなければ、無個性ながら読みやすい前者の書き出しがよいと思います。


質問に、質問だけに答える

友人のESを添削している時、質問形式の問いが与えられているのに、答えと全然関係のない自己アピールを挿入しているように見える個所がありました。これはやめたほうが良いと思います(質問の答えと論理的につながりのあるものならいいけど)。聞かれたことと関係のない記述は読み飛ばされるので時間の無駄ですし、「聞かれたことにもきちんと答えられない人」と思われたら、倍率の高いESでは確実に落ちるでしょう。


また、「色々と書いているが、結局質問に対する答えがどこに書かれているのかよくわからない」というのもよくあるミスです(特に、時間がなくて、文章の構成を決めないまま書き始めるとそういうことになりがち)。こういうミスを防ぐためにも、結論は最初に一文で書きましょう。


会社のことでなく、自分のことを書く

文章の中に


「21世紀はアジアの世紀と言われ」
「貴社が積極的に他社との提携を図り、他社を蹴落とすのではなく共存していこう、自社が利益をあげる事だけでなくお客様によりよいシステムを提供する事も重視しよう、という方針のもとビジネスを展開しておられる事から」
「●●のグローバル戦略では、新興国に市場をもつ圧倒的な潜在力を意識し、アジア企業と海外ハイパフォーマンス企業500社の比較分析を踏まえて、世界で生き残るために乗り越えるべき課題を示されていますが」

といった、「見聞きした事実の再確認」を入れるのはあまりおすすめしません。必要な場合も最小限にしましょう。事実を再確認しても、会社が知りたがっている「『あなたは』その事実についてどう思うか、どう分析するか」に関しての情報が増えないためです。そこを削って可能な限り伝聞でない自分の考えを詰め込むのが、密度の高い優れたESを作るためのポイントだと思います。


最大限差別化できる内容を書く

テニスサークルに所属している人よりも、アカペラサークルに所属している人の方が少ないことでしょう。家庭教師をしている人よりも、夜の街で働いている人の方が少ないことでしょう。何か自分の経験について書くときには、「自分が書けることの中で、できるだけ他の人と被らなそうな経験」を意識して選んでください。そりゃぁ何千枚もあったら多少被るのは当然仕方がないですが、他の人と大量に被ってしまうと、ESを見る人の心境としては「それはもう今日20回は聞いたよ…」となってしまいますし、同じことを高い質で書いている人と比べられてしまうので不利だと考えられます。何百人ものテニサーの部長、ゼミ幹、家庭教師、バックパッカーの文章を読まなければならない彼らの気持ちを考えて、「文体はシンプル&スタンダードで、内容はユニークで」を心がけましょう。


文章にこだわる

書き終わった文章は必ず2〜3回、頭から終わりまで論理を追いかけながら音読して、

・誤字脱字がないか
・主語と述語の関係がおかしくなってないか
・形容詞の修飾関係は明確か
・何通りにも解釈できるような文章になってないか
・敬語の使い方を間違っていないか
・口語的になりすぎていないか、逆に堅すぎる敬語が混じって浮いていないか
・論理の飛躍はないか、知らず知らずのうちに変な前提を置いていないか

などをチェックして下さい。日本語は主語無しでも構成できる上に、書き手自身は主語がわかっているためか、主語を省いた文章を多用する人もいるようですが、可能な限り主語をきっちり書いた方がわかりやすい文章になると思います。その他、一文中に二度も三度も接続詞が出てくるなど、長すぎる文章もできるだけ分割しましょう。三文連続「〜と思います。」で終わったり、日本語としてきれいでないのも個人的には嫌だったので避けました。このような面がどこまで細かく見られているかはわかりませんが、僕個人は「社会人になってクライアントに見せても恥ずかしくない程度にきれいな日本語」と心がけてました。実際にはわりと恥ずかしいものを出していたことでしょう。


おまけ:おすすめの書籍

ESを書く上で、参考になる/なったと僕が感じる本をご紹介します。


考える技術・書く技術

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

色々なところで既に紹介されていますね。人にわかりやすく伝えるための文章を書くテキストとしては、やはりこれがよいと思います。最終的には買って全部読んでほしいですが、ESを書くにあたってはとりあえず1-3章、5-7章、11章(全体の半分位)を読めばよいでしょう。

読み手を引きつけ続ける確実な方法は、ただひとつ、読み手が抱く疑問を見抜き、その疑問にずばり答えていくことです。

言葉の認識、考えと考えとの間の関連性の理解に関して言えば、読み手の負担が軽くなるように書き手側で工夫することで、読み手のエネルギーはかなり節約できます。逆に、読み手が文章の間を行ったり来たりしてその関連を探らねばならないとすれば、それははっきり言ってまずいやり方です。ほとんどの読み手はそんなことをしてくれません。

とにかく、すべての文書を「いったん書き上げてみる」というやり方は絶対にやめてください。たとえ、実際には自分の考えが支離滅裂にしか表現されていなくても、いったん、ワープロできれいに仕上がったものをみると、ついそれを気にいってしまうからです。


知的複眼思考法

文章を書くための本と言うよりはクリティカルシンキングの本ですが、内容が基本的ながらしっかりしているのと、以下の「禁止語のすすめ」というエッセイ(一部抜粋)が好きなのでご紹介します。余力があったら読んでみてください。

学生たちと議論していると、しばしば、抽象的な概念をこなれないまま使っている例に出会う。「構造」とか、「個性」とか、「人間形成」とか「権力」といったビッグワード(概念)が典型的な例である。…(中略)…その結果、こうしたキーワードは、容易にマジックワード(魔法のことば)に変わる。つまり、魔法の呪文のように、人々の考えを止めてしまう魔力を持っているのだ。

そうしたマジックワードをあえて使わずに議論をしようとするだけで、概念のひとり歩きを止めて考えることが可能になるのである。

僕の場合は、ある時期から「キャリア」「社会貢献」「成長」「リーダーシップ」「コミュニケーション能力」といった言葉を執拗に避けていました。それらは全て借り物の言葉であって、自分が徹底的に考えた時にハラから出てくる言葉ではないと感じたからです。全ての人が僕のような場合にあてはまるとは思いませんが、少なくとも、言葉の意味について深く突っ込まれた時に、具体的に説明できないような言葉は使わない方がよいでしょう。



次回は筆記について書こうと思ったけど、筆記って書くことないなぁ…就活ってESと面接だと思うんです。筆記とGDはゲーム(´・ω・)

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気の早い2012年度就活生向け夏インターン情報

こんばんはkanedoです。新4年生の皆さんは就活真っ盛りですが、去年の僕のように、今から就活に向けて気合入れてる気の早い新3年生の方も若干いるかと思います。


この時期は多分みんな何やっていいのかわからないと思うので、今日はそういう人向けに、6月頃から募集が始まる夏インターンの情報を提供しますね。今回は特に周りの内定者から情報収集をしておらず、僕の知っている(体験した)範囲だけになってしまいますが、去年の選考情報も含んでいますので、恐らく現在ネットで出回っている中では最新の情報ではないでしょうか(´・ω・)



【夏インターンって何?】

就業体験のない、つまり各業界あるいは企業の業務についてなんとなく知っているけど実感がわかない学生を対象に、各企業がどのような業務をしているのかについて、

・デスクローテーション
・講義
・グループワーク
・社員さんとの懇談会

などを通じて学ばせてくれるイベントです。冬や春にもありますが、夏インターンの場合、期間は8月〜10月の間で数日です。一度に参加できる学生は1社当たり数名〜十数名で、複数回行う会社もあります。呼び名は企業によって様々。



【どんな企業がやるの?】

もともとは外資系企業の文化でした。今でも投資銀行コンサルティングファームが多いようです。この業界で昨年夏にインターンを実施していた企業の一例をあげると、

<投資銀行>
ゴールドマンサックス、モルガンスタンレーJPモルガン、バークレイズキャピタル、メリルリンチBNPパリバUBS証券ドイツ証券クレディスイス証券、大和SMBC

<コンサルティングファーム>
ベインアンドカンパニー、A.T.カーニードリームインキュベーター、コーポレートディレクションズ、野村総研NRI)、三菱総研(MRI)

他の業界だと、IBMや丸紅、住友信託なんかもやってたようです。この時期にインターンを実施するのは最近の就活市場で一つのトレンドでもありますので、今年はもっと増える可能性もありますね。僕が受けていたのは外資系の投資銀行業界とコンサルティングファームが中心なので、今回の記事ではその2業界のインターンに的を絞りたいと思います。


ちなみに、最近は1dayインターンというのもありますが、これは説明会とほぼ同義で、わざわざ参加する意味はあまりありません。強く興味をひかれる企業がやっていたら、説明会気分で一応参加してもよいでしょう(1day参加者だけを対象に長期インターン募集をした例も昨年あるので)。また、主にベンチャー企業等がやっている長期(数ヶ月)のインターンも非常に学ぶものが多く、学部1〜2年次の学生にはオススメしたいですが、今回の趣旨とは違うので割愛します。


※余談:インターンは企業にとって結構なコストなので、外資的な少数精鋭採用をしない日系大企業は、インターンを各社が行う=ウチもやらないと出遅れるという傾向をあまりよく思ってないようですね。そのへんは以下の本に詳しい。就活をナナメに見た去年のベストセラーですが、面白いので読むとよいでしょう。就活生が陥りやすいミスを回避するための勉強にもなります。

就活のバカヤロー (光文社新書)

就活のバカヤロー (光文社新書)


【参加するとどんなメリットがあるの?】

インターンに参加することは、まず以下の3点で明確にプラスになります。



外資系企業の仕事や、そこで働いている人達について知ることができる。後に本選考を受ける時には、これらを既に知っていることで志望動機をより具体化された、説得力のあるものにしていける。
・アクティブな他大の友達ができる。就職活動において情報の果たす役割は非常に大きいので、同じ業界を受けている友達は多いほど望ましい。
・会社によっては、後の選考プロセスを優遇してくれる。夏インターン終了の段階で学生に内定を出す企業もある。


しかし、夏インターンに参加することには、この他にも大きな意義があります。僕は昨年夏に外資投資銀行2社、コンサルティングファーム2社(外資1社、外資から独立した日系1社)でインターンをしましたが、僕がインターンで学んだことのうち最大のものは、現状の自分がいかに無力あるいは無能かということでした。外資の夏インターンは、中途半端に優秀な学生が鼻を折られて反省して伸びるよい機会です。


例えば、投資銀行インターンに行くまでは、「自分は金融のゼミでも勉強してるから、金融の就活で有利」と思っていたのですが、インターンで「学生が現時点で金融に詳しいかは考慮しない。君達が大学でゆったり2年位かけて学ぶ金融の知識より、投資銀行に入ってから3ヶ月で必死の勉強して学ぶ量の方がずっと多いから」と言われて、ああその通りだなと。またコンサルのインターン行くまでは、「自分は論理的に考えている方」とか思ってましたが、インターンでコンサルの人に毎日ボロクソにダメ出しされて相当に伸び、5日でこれだけ伸びるなら、ずっとそこで働いてごはん食べてる人に比べてどれだけ自分は矮小なのかと実感。10月あたりから自分だいぶ謙虚になったと思います。



【どこでインターンの情報を探せばいいの?】

インターンの情報を毎年完全に網羅しているサイトは、今の所ありません。6月頃になったら、外資系への道標の右側リンク集にある企業webサイトや、自分が気になる業界の大手企業webサイトをブックマークして、こまめに巡回するとよいでしょう。補助的に、就活カレンダーinfinity campusの選考スケジュール、リクナビマイナビもチェックしとくといいかも。それでもどうしても漏れは出ると思うので、外資就活友達を作って互いに情報を交換することでカバーできると思います。僕もその時期になったら記事アップするので。



【選考対策として、今は何をすればいいの?】

基本的には、特に何もしなくていいと思います。この記事この記事なんかにも書きましたが、就活の結果を決めるのは8割方がファンダメンタルな部分(これまでの二十数年間の積み重ね)なので、受験みたいに対策すれば通るというわけでもありません。セミナーに通い詰めたり、(僕みたいな)内定者の話を聞いてもあまり実用的意味はないでしょう。それらは気分転換程度に聞いてください。可能な行動として最も重要なのは、自分が興味ある業界について本や新聞、ネットで自ら学び、その業界に勤めている人と接触をもって疑問を解決することです。


ただ、やはり持っているファンダメンタルをしっかり発揮するための表現技術とか、筆記対策みたいな部分が重要なのも事実だと思います。業界について知識が多いから内定するというわけでもないですが、この時期何かしないと不安でしょうがない人は、以下に紹介する本や記事などを読んでみるとよいでしょう。


全就活生におすすめの本

論理のスキルアップ―実践クリティカル・リーズニング入門

論理のスキルアップ―実践クリティカル・リーズニング入門

ロジカルシンキングの本は山ほど出ていて、MECEやらロジックツリーやら色々とテクニックが紹介されていますが、僕が最初におすすめするのはこれ。以前の僕を含め、ほとんどの就活生は、MECEとかロジックツリーを学ぶ以前の段階、もっと基本的な部分をしっかりつくらなければいけない段階にいます。誰かがAという主張をするとき、彼はどのような前提を暗黙においているのか。どのような条件が満たされればA→Bが確実にいえるのか。そのようなごく単純かつ超重要な論理の基礎が、日本語の例題で学べます。外資系でも日系でも筆記頻出するようないわゆる「国語の論理問題」は、日本語だろうと英語だろうとこれ一冊で十分でしょう。


でも、ピラミッドプリンシプルはやっぱりいい本です。上記の本を読んだ後で一度は読んでみてください。ES作成など文章の組み立てに必ず役立つはず。例えば僕がブログ記事で使う文体や論理構成に、これらの本が与えた影響は大きいですね。

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則


外資系就活生におすすめの本

国語的な論理問題は上の本一冊で十分なのですが、外資系の筆記試験だとよく、以下のような問題が出ます。

ア〜オのことが全て言えるとき、論理的に導かれることは次のうちどれか

ア 国語が不得意な者は英語が不得意である
イ 数学が得意なものは英語が得意である
ウ 社会が得意なものは理化が不得意である
エ 国語が不得意なものは理科が得意である
オ 体育が得意なものは英語が不得意である

1.体育が得意なものは国語が不得意である
2.社会が不得意なものは理科が得意である
3.国語が得意なものは社会が得意である
4.英語が不得意なものは国語も不得意である
5.国語が不得意なものは数学も不得意である

こういう算数的な論理問題は解法を覚えて練習して慣れるしかないので、この本をやってください。8章くらいまでをちゃんとやれば、この手の問題が原因で落とされることはないと思います。

上・中級公務員 標準判断推理―確かな解答力が身につく“基本書”

上・中級公務員 標準判断推理―確かな解答力が身につく“基本書”

あと、中学受験の未経験者は、適当な筆記対策本か小六用の受験問題集を解いて、算数をできるようにしとくといいかも。中学受験レベルの算数が筆記でよく出ます。


投資銀行就活生におすすめの本

サルになれなかった僕たち―なぜ外資系金融機関は高給取りなのか

サルになれなかった僕たち―なぜ外資系金融機関は高給取りなのか

投資銀行の日常を暴露した小説的な読み物。面白い。投資銀行志望者必読。

現代の金融入門 [新版] (ちくま新書)

現代の金融入門 [新版] (ちくま新書)

業界についての知識は内定に関係ないと言いましたが、それでも受ける以上ある程度は知っておいた方がよいでしょう。少々理論的で金融の初学者にはとっつきにくいですが、いつまでも読めるしっかりした本です。説明会やネット、大学の「金融入門」的な授業の補完に。


コンサル就活生におすすめの本

僕が特に影響を受けたのはこの二冊ですね。コンサル志望者というのは僕も含めて、机上の空論的なロジックの積み重ねが好きな人が多いのですが、これらを読めば経営やコンサルティングにとって、そこで働く人々を支配している「感情の論理」が非常に大切なことが理解できると思います。

戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策

戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策

ケース対策はこれ一冊で十分でしょう。良書。


他にチェックするとよいサイト

情報が古いですが、外資系就活の情報量はこの2つがいまだトップだと思います。

外資系への道標
http://gaishi.seesaa.net/

内定ネット
http://naitei.seesaa.net/

セミナーはほとんど行ってないからよくわかりませんが、このへんは良質と聞きます。アルファリーダーズは就活に使ってた大学メールアドレスにたくさんメールが来て若干うざかったのでフィルタかけたけど。ごめんね中の人(´・ω・)

Luck Factor
http://luck-factor.com/

Infinity Campus
http://www.infinity-campus.jp/

α Alpha Leaders
http://alpha-leaders.jp/

あと、僕は基本的にいつも同じこと言ってます。[就活]タグの過去記事が参考になるかも。GD対策記事も前書いたのでついでに。

就職活動のまとめ
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20091221/1261332801

内定者から学ぶことはあんまりない
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100103/1262457249

「鋭い質問」と「急所を突く質問」の違い
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100111/1263186239

未経験者のためのGD講座
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20090928/1254104523


【おわりに】

そのうち過去に参加した夏インターンのレポをしようと思いますが、質問あるいはこういうテーマで書いてほしい!という希望があったら、コメントやメール、twitterなどで気軽に言ってください。対応できる範囲で対応します。それではまた(´・ω・)

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kanedoの近況など

●高校生向けのおすすめ書籍

紀伊国屋をウロウロしてたら見つけて、立ち読みしたら意外にもスタンダードで良い本でした。

マンガ+講義でよくわかる 経済学超入門

マンガ+講義でよくわかる 経済学超入門

この記事ではマンキュー入門経済学を薦めましたが、中学生・高校生はこちらの方がいいかもしれません。内容はあまり変わらないので。

このシリーズ、漫画はベタベタですが、内容的には他にもいい本があったりします。

マンガでわかる統計学

マンガでわかる統計学



●内定先の懇談会に行ってきました。

まだ他の内定者の方とはお会いしていませんが…なんか話を聞く限りかねどーだけ凡人の気がします…こわいお(;・ω・)

彼らが僕にないものを持ってる分、僕も彼らにないものを持っていてうまく棲み分けができると信じて頑張るしかないですね。とりあえず今年の最優先課題は英語と肉体的トレーニング。多分入社早々石垣島トライアスロンに出ることになるであろう、自他共に認めるインドア派かねどー。



●今後の時間の使い方を考え中

残り単位数を考えれば週2くらい大学に出れば十分なのですが、僕の性格的に一日丸々空きにしても有効活用できなそうですし、友達が忙しいのに自分だけ暇にしても仕方がないので、週4くらいは学校に一応行って1日はインターンしようかな、バイトも入れようか英会話に通おうかなど、色々と考え中。一般に人気のない体育の授業も多分入れます。


●シェアハウスに出入りしてます

最近、ギークハウス(http://bit.ly/4KQep7)とかまれびとハウス(http://bit.ly/cdoOxq)とか、最近はいろんなシェアハウスに出入りしています こういう安い家賃で住める+いつも気軽に集まれる場所が増えるのはいいですね。まれびとハウスのパーティーではたまたまコンサルタントや元コンサルタントの方々とお会いして、コンサルのアウトプットと一番相関性があるのは体力という貴重なアドバイスをいただきました…(´・ω・)



●ポーカーにはまってます

最近ずっとやってる。5枚配られるタイプのポーカーでなく、手札2枚+場の5枚で手を作って競うテキサスホールデムというルール。それ面白そう、と言う人は、「やる夫がこれからポーカーに挑戦するようです」を最初から読んでみてください。

やる夫がこれからポーカーに挑戦するようです
http://yaruomatome.blog10.fc2.com/blog-category-70-4.html

日本語でよい本がないので、戦略は洋書で勉強。たのしい。

Phil Gordon's Little Green Book: Lessons and Teachings in No Limit Texas Hold'em

Phil Gordon's Little Green Book: Lessons and Teachings in No Limit Texas Hold'em

今起きている茶番について

良い記事があったので、トラックバックを。


東京都・青少年健全育成条例改正案について - Lo-Fi Project ANNEX
http://d.hatena.ne.jp/enmotakenawa777/20100315/1268675119

今回の改正案などを読み、わたしは「子供は、下賤な表現を欲しがらない」ことを前提とされているように思いました。絶対にそんなことはないです。人間である限り、子供らにも欲望はあるでしょう。ない、と言い切るのなら、子供らが可哀想に思うのです。それは「人間扱いされてない」、ということだと思うからです。

わたしは、本当に必要なのは、清濁あわせもって子供らを導いてやれる大人だと思うのです。その一種が、作家・クリエイターと呼ばれる人達だと思います。私は、親にすら言えなかった前述の経験を、漫画や小説によって昇華することができました。「そういうこともあるのだ」と。子供にしてみたら過激な表現をした作品でしたが、それらの作品がなかったら、私は未だにふさぎこんでいたかもしれません。


都議会なんて飾りですか? - agehaメモ
http://d.hatena.ne.jp/ageha0/20100316/p1

「わたしのあたりまえ」と「だれかのあたりまえ」には、必ず違いがあるものです。人の世の不幸の多くは、「わたしのあたりまえ」を他人様に押し付けることから始まるものです。そこをわきまえた上で「望み得る最善」に向け汗を流すのがデモクラシーであると自分は考えます。表現の自由はその礎石となるものです。他のなにものにも代え難き金科玉条とは思いませんが、デモクラシーを支える大礎石であります。私の気が確かなら、表現の自由は全ての自由の母であり、他の自由を護る最後の砦であります。ごく少数の有識者に「みだりに」委ねべきものではありません。


この問題に関する論点はネットで出尽くしている気がするので、僕が新しく論じることは特にありません。東京だけでこのような規制を敷いた所で、中小の本屋さんが困ってネット通販が儲かるだけだと思いますし。(その意味で、積極的な反対活動を行うなら、「表現の自由」のような文脈でなく、書店や商店街といった地域社会を巻き込んでのロビー活動を目指した方がいいかもしれませんね。ネットでは反対で大体固まっているようですが、問題は、「敵」がネットの言論など届かない場所にいることです)



だからここでは、僕の立ち位置から言うべきことだけ言おうと思います。


「少年の心の闇」みたいな言説を並べる大人は、そんなもの抱えずにぬくぬくと育った人間ですし、それとどう向き合い、受け入れるべきかも知らないでしょう。そういう人を「子供」と言います。「子供」が寄り集まって健全な青少年の育成について話している国とは、もはや皮肉でしかない。


なにが育成だ。優秀な若い世代に愚鈍な大人が教えられることなど、社会への憎しみ以外に何一つない。基本は放任して自分で学ばせながら、致命的な間違いだけはしないように守ってやるのが我々にできる唯一のことだろう。思いあがるな(´・ω・)


一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

これから大学に入学する新入生のために

<まえがき>

4月から大学に入学することが決まった皆さん、おめでとうございます。皆さんは今後の4年間を、勉強や研究、部活やサークル、課外活動、アルバイトやインターン、趣味、恋愛、その他色々、何にでも使うことができますし、何に使うかを自分で決めることができます。また、この4年間をどのように使ったかは、卒業後の長い人生にも決定的な影響を与えることでしょう。大学新入生の前には、本当に広い可能性が広がっています。


しかし現状を見る限り、多くの大学生が入学早々、自分の可能性を自ら狭めているように僕には思えます。特に目につくのが、以下の二つのパターンです。

・勉強することを放棄してしまう

・一つの部活やバイトに強く拘束され、それを大学生活の大半にしてしまう


残念なことに、大学生活の最初に上級生から入ってくる情報は、右も左もわからない新入生をこの二つへと誘導するかなりタチの悪いものである場合が多いです。これは体育会系の新歓(新入生歓迎活動ないし新入生勧誘活動)と、「上クラ」「オリター」と呼ばれる、2年生が新入生に対し大学生活についてのガイダンスを行う制度に大きな原因があるのですが、彼らだって悪意を持ってやっているわけではありません。ただ、彼らとタイプの違う上級生の意見も聞くことは、自分がどうやって今後4年間の大学生活を送るか決める上で、極めて有用でしょう。


この記事は、大学新入生のみなさんに向けて、大学4年の変わった上級生が送るアドバイスです。新入生が、不十分で偏った情報に基づいて、今後を左右する重要な決定を行ってしまっている現状への危機感から書きました。この記事をきっかけに、一人でも多くの人に、「勉強も案外楽しいかも」「外の世界に出てみるの楽しいかも」と思ってもらうきっかけになればと思っています。


自己紹介を一応しておくと、僕は4月から4年になる一橋大学商学部の学生です。中高は筑波大学附属駒場という国立校。勉強はわりと好きで、特に経済学、経営学、国際関係、政治学現代思想あたりはよく本を読んでいますが、大学入学後は他にもバンドやったりアカペラやったり国内や海外でインターンしたりと色々やってきました。卒業後は外資系の戦略コンサルティングファームに就職します。戦略コンサルティングというのは、企業がより多くの利益を生むように経営戦略を立てたり、組織を改善するサポートを行うお仕事です。現在は仕事に備えて英語を勉強したり、本を読んだり、ベンチャー企業でwebプログラマーとしてインターンを始めたり、バンドやったり、家でゲームしたりしています。


もちろん僕の意見も、数ある意見の一つでしかありません。他にも色々な先輩や社会人の方に話を聞いて、十分な情報を持った上で自分の大学生活をデザインしてください。



<本文>

僕の主張は、以下のことをやってほしいというものです。


○高校までの勉強と、大学以降の勉強の違いを認識しよう

○「反知性主義」を優しく拒否しよう

○とにかく本を読もう

○どんどん「外」に出よう

○自分の将来について常に思考しよう

○各種補助を有効活用しよう

このアドバイスのもとになっている僕のスタンスを簡単にまとめると、「勉強する。外に出る。そうして視野を広げて、楽しく生きる」といった感じです。では本編をどうぞ。リンク先に目を通したり紹介している本を読むと、より多くのものが得られると思います。面白そうな本があったらクリックしてamazonで買ってくれると、僕がほんの少しもうかります(´・ω・)



○高校までの勉強と、大学以降の勉強の違いを認識しよう

小学校、中学校、高校まで学校で教わる勉強と大学の勉強には、根本的な違いがあります。それは、「大学での勉強は、基本的に受験を目的としていない」ということ。中学受験のための小学校の勉強や、大学受験のための中高の勉強とは異なり、大学での勉強には単位認定のための期末試験はあっても、勉強の集大成としての入学試験はない場合が多いです(注1)。結果、今まで受験での成功を目的として勉強してきた学生は、大学入学と同時に大きな思考の転換をする必要に迫られることになります。学生の中には、この変化に気付かず、「大学の勉強は、社会に出て役立たない」といった言葉を吹きこまれて、早々に勉強することを放棄する人が少なくありません。で、後で後悔したりする。


「勉強が役立つか否か」という問題を考えるときに、それを「将来従事するであろう仕事の内容と直接関係あるか」という問いに置き換えてしまうのは、「試験を目的とする勉強」を十年近く行って形成されたバランスの悪い勉強観に基づく、有害な間違いではないでしょうか。


例え受験や仕事で使わないとしても、勉強をすることにはなお大きなメリットがあります。まず、何かの学問を体系的に学ぶことで身につく、基礎的な論理力や問題解決力、ものを考える際の方法論は、仕事に限らず日常のあらゆる意思決定や活動に役立つでしょう。また、勉強による視野や可能な選択肢の広がりは、「幸せに、生きたいように生きる」という、より上位の目的に貢献します。そして勉強自体も、コツを掴めば趣味として成立しうる楽しいものです。このような面において、日常的に頭を使っている人と、頭を使うことを放棄してしまった人には、大学4年間の間に絶望的な差がつくことでしょう。今まで受験のための勉強しかしてこなかった方も、例えば何かの本やこの記事をきっかけにして、受験のためでない勉強を楽しむマインドを持ってくれれば嬉しいなぁと思います。きっとその人にとっても長期的な利益になるでしょう。


注1:もちろん、大学院入試や資格試験の合格を目指して大学で勉強する人もいますし、入学試験と関係ない内容を自主的に勉強する小学生/中学生/高校生も多いので、例外は多々あります。<参考>
オススメするゼミ選択の方法
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100128/1264622745
池尾和人先生のコメントに注目。



○「反知性主義」を優しく拒否しよう

前述の内容を深く心に刻み込んだうえで、
「勉強なんてつまんない」
「勉強するよりバイトしたり部活したほうがいい」
「大学の勉強なんて社会に出て役に立たない」
「大学生活では何かひとつのことにとことん打ち込むべきである」
「知識を身につけ論理的な思考をするより、他者の顔色を見てうまく合わせるほうが重要」
という先輩の助言を、「なるほど〜」とか言いながらにこやかに聞き流しましょう。周りが勉強してないからといって、あなたが勉強しちゃいけないということはありません。大学生活について相談するのであれば、部活のパンフ持って勝手に寄ってきて「人生の先輩」面したがる大二病の上級生ではなく、あなたがこれからの大学生活で何をしたいのかについて真摯に話を聞いてくれる、しっかりした上級生を探して相談することを、僕としてはおすすめします。しかしこれについては、あまり露骨にやると友達が減るので、それが気になる人は注意してください。

RT @jun_blueeyes街中の看板に、 『学ぶヒマがないという人は、ヒマがあっても学びはしない。』と書いてあった。同感。


<参考>
反知性主義には、個人で、日本で十分対抗できる
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100117/1263728321
参考と言うかそのまんま。

なぜ私は親鸞会をやめたのか-about Cult and Mind-Control
http://shinrankai.hp.infoseek.co.jp/material.html
「必殺育成法」が凄い。普通に勉強になった。どの大学でも多くの部活、団体が多かれ少なかれ似たようなことをするので、じっくり読んであらかじめ知っておくといいと思います。「カルトなんて引っ掛かる方が悪い。自分は大丈夫」などとゆめゆめ思わないよう…


○とにかく本を読もう


 勉強することやことや考えることの意義を説明した所で、次は「何を学ぶべきか、どう学ぶべきか?」という部分について書きたいと思います。もちろん、自らの知的好奇心に従って、自主的に授業を履修したり大学図書館で本を借りて勉強してくれればそれが一番ですが、一応の方向づけと言うか、「学部に関わらず、これを学ぶのは絶対有益!」と僕が思うものをご紹介します。ちなみに僕の場合、日経新聞The Economist(イギリスの経済紙。面白いし定期購読すれば学割がきくので、経済を学ぶ人はぜひ)を購読している他、年に70〜80冊の本を分野問わず読みますが、多読は特に意識しておらず、通学時間が長いので自然と読む本が増えていった感じです。


●オススメの分野1:現代思想

「思想を学ぶ」というと、高校の倫理のようなものを想像するかもしれませんが、そうではありません。ここで目指す内容は、「当たり前とされていることに疑問を持ったり、その背後にある前提や構造を見抜き、世の中を冷静に見る目を身につけること」です。これはどんな分野を学び、どんな道に進むとしても役に立ちます。


 今すぐ読める入門としては、このwebサイト(黒とつ)がいいのではないでしょうか。「神話から現実へ!」「勘違いしたブスにむかつかなくなるまで」あたりをじっくり読んでみてください。


その次は、このような現代思想に関連する新書を読んで、20世紀的な考え方の全体像を少しずつ掴むといいでしょう。

術語集―気になることば (岩波新書)

術語集―気になることば (岩波新書)

寝ながら学べる構造主義 ((文春新書))

寝ながら学べる構造主義 ((文春新書))


やる気のある人は、ニーチェフーコーの訳書にトライしてみてもいいかもしれません。


ニーチェ全集〈11〉善悪の彼岸 道徳の系譜 (ちくま学芸文庫)

ニーチェ全集〈11〉善悪の彼岸 道徳の系譜 (ちくま学芸文庫)


また現代を理解する上で、西洋近代とはどのような考え方が強い時代であったかを知ることも不可欠です。僕が好きな本はこれ。


思想としての“共和国”―日本のデモクラシーのために

思想としての“共和国”―日本のデモクラシーのために


あとは、アンテナを高くして興味のままに本を読んでいけばOKだと思います。また、みなさんがこれから自然科学なり社会科学なりを学ぶにあたって、「そもそも『科学』とは何か?」「科学には何ができて、何ができないのか?」というようなテーマを扱った、科学哲学の入門書を1〜2冊読んでみると有益かもしれません。僕はこの本を読みました。


科学哲学入門―知の形而上学

科学哲学入門―知の形而上学


●オススメの分野2:経済学

 kanedoは商学部生ですが、専門は経済学に近い部分です。経済学の基本的な知識を身につけることは、みなさんが文系か理系かに関わらず、非常に有益で楽しいことであると僕は思っています。経済学ほど、経済学を学んだことのない人から偏見を持たれている学問もなかなかないと思いますが、経済学を学ぶことで、実際の経済、社会、あるいはより広範な人間活動について考えるための、一つの軸あるいは視点を得ることができます。


 経済学は、一言で言うと「人間の意思決定とその結果について、それらをモデル化することで分析する学問」です。その分析対象は、企業の営利活動や国家の経済活動に限りません。また経済学は「数学をゴチャゴチャと使う難しい学問」と思われて、経済学部を除く文系の学生から避けられる傾向がありますが、経済学の基本的なロジックは、四則演算がわかれば結構理解できます。もちろんわかりやすく書かれた教科書の背後には、もっと複雑で綿密な体系があるのですが、少なくとも経済学研究の道に進むのでなければ、数学ができないからといって経済学を嫌う必要は全くありません。


どういう本をまず読むといいかについては、この記事にまとめてありますので、そちらをどうぞ。どれもハードカバーで高いので基本的には借りて読めばいいと思いますが、マンキュー入門経済学は文理問わず、買って熟読することを強くオススメします。

マンキュー入門経済学

マンキュー入門経済学


●オススメの分野3:会計(を中心とする経営学

 会計を学ぶここでの主な目的は、「『企業』とは何をやっているのか」を外から理解することです。日本には250万社を超える法人企業があり(注1)、いわゆる「東証一部上場」の企業だけでも1600社位あります。我々が行う活動の多くに様々な企業が関わっており、社会や経済について考察する上で、企業の基本言語である「会計」を抜きにはできません。新書等を取っ掛かりにして会計を少し学んだあとで、ビジネスの他の分野(マーケティング、経営戦略、人事、財務等々)について本を読むと理解がスムーズになるでしょう。


例えば、簿記二級(0からでも2〜3ヶ月勉強すれば取れます)レベルの会計を理解すると、自分で企業の財務諸表(企業の業績や経済状態を要約した表のようなもの)を読んで大雑把に分析できるようになります。後で述べるように、この記事を読んでいる大学新入生の大半は学部3年で、あるいは大学院1年あたりで、将来の職業を決める「就職活動(就活)」に早くも参加することになるのですが、就職活動の時に財務諸表が読めないと、「この企業はどのようなビジネスモデルを持っているのか?」「この企業は将来大丈夫だろうか?」などとと考えて意思決定をするにあたり、新聞記事や学生の噂に頼るしかなくなります。日本語しかできないのに海外旅行して現地で結婚相手決める感じ。財務諸表が理解できれば、その企業の置かれている状態について、それらの情報を参考にしつつも自分で判断することが可能になります。また就職活動に関係ない場でも、会計を通してお金に関するセンスを身につけることは、日常生活からサークル活動の予算作りまでなにかと有益でしょう。


 会計については、時間と興味があったり外資系企業を目指す場合は簿記2級の勉強をするとよいですが、最近は社会人向けの会計入門書が新書でいくらでも出ています。そうした本を読めば、簿記の資格がなくても簡単な財務諸表分析やビジネス分析ができるので十分だと思います。ただ経済経営系の人が財務諸表読めないと恥ずかしい気がするので、そのあたりの人はちゃんとやりましょう(特に経済学部に多いですが、現実の経済には興味ありませんってカミングアウトしているようなものですよ)。

決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 (朝日新書 44)

決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 (朝日新書 44)

財務3表一体分析法 「経営」がわかる決算書の読み方 (朝日新書)

財務3表一体分析法 「経営」がわかる決算書の読み方 (朝日新書)


 ビジネスについて考える上では、その他にも経営学の基本を学んでみると面白いのですが、経営学は会計以外にもマーケティング、事業戦略、財務、ガバナンス、様々な分野があり、全体を一冊で網羅する本がなかなかありません。とりあえずは、日経新聞の1面、経済面、企業面、投資・財務面あたりから面白そうな記事を、わからない用語をgoogle検索しながら読むことをおすすめします。より体系的に学んでみたい方は、以下のような本を読んでみるといいかもしれません。

わかりやすいマーケティング戦略 新版 (有斐閣アルマ)

わかりやすいマーケティング戦略 新版 (有斐閣アルマ)

改訂3版 グロービスMBAマーケティング

改訂3版 グロービスMBAマーケティング

基礎コース 経営学

基礎コース 経営学

コーポレート ファイナンス(第8版) 上

コーポレート ファイナンス(第8版) 上

  • 作者: リチャード・ブリーリー,スチュワート・マイヤーズ,フランクリン・アレン,藤井眞理子,国枝繁樹
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2007/03/15
  • メディア: 単行本
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以上、どんな学生が学んでも有益な3つの分野について紹介してきましたが、これ以外にも面白い分野は無限にあります。授業や大学図書館といったインフラを最大限活用して、色々と勉強してみてください。多くの読書によって得られた知識や思考は、「就活に有利になる」といった狭い目的を超えて、きっとみなさんの人生を豊かにするでしょう。


注1:統計局webサイトより<参考>
学生時代に学ぶべき学問:衰退の10年を生きる
http://fukui.livedoor.biz/archives/2130436.html
分野が見事に被っていますが、パクったわけではありません。kanedoよりずっと経験豊かな方の書いた記事ですので、参考にしてみてください。


とつげき東北HP
http://www.interq.or.jp/snake/totugeki/
中高時代のkanedoに影響を与え、今は飲み友達で、オススメその1で紹介した黒とつ(画面右上の「嫌し系」)の作者。「名言と愚行に関するwiki」を読んで暇つぶしをしよう。


商学部生への経済学のススメ
http://obata.misc.hit-u.ac.jp/~itoh/ronso0404.html
僕の指導教官が商学部生向けに書いた文章。経済経営系の学生必読。「経済学ってどんな学問?」「経済学と経営学って何が違うの?」という話。


ネットに時間を使いすぎると人生が破壊される。人生を根底から豊かで納得のいくものにしてくれる良書25冊を紹介
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20081118/
良書の紹介記事。id: fromdusktildawn氏の記事はどれも凄くクオリティが高いので、どんどん読んでみてください。


わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
http://dain.cocolog-nifty.com/
「何を読めばいいんだろう…」と迷ったら、まずはここのページ右下「100冊シリーズ」から探すとハズレが無いと思います。



○どんどん「外」に出よう

 皆さんはこれからどこかの大学に所属し、クラス、部活やサークル、バイト先といった組織ないし集団に参加することでしょう。それらの大学や組織はそれぞれ素晴らしいものだと予想しますが、僕としては皆さんに、一つの場所に縛られることなく、どんどん『外』に出て、新しい人間関係を模索し続けてほしいです。以下で理由を説明します。


 全てのコミュニティは、それぞれ「集団のカラー」のようなものを持っています。大学、部活、企業、ネットの自由な集まりなど、どんな組織ないし集団でも、多かれ少なかれあります。これは集団の活動にとどまらず、所属している人の性格やものの考え方など様々な所に現れてきます。そして、集団に所属してその集団の人達と時間を共有するうちに、自分の考え方も自然と影響を受けてくるのですが、集団の内部にいると自分の変化に案外気付かないものです。これが結構怖いことで、多くの人はふと気がつけば良くも悪くもその集団/組織の価値観に染まっているわけですね。どんなに多様な人を集めたり、色々な活動をしている組織であっても、組織である以上ある程度視野は狭くならざるをえないと僕は思っています。例えば、「活動の場を国際社会に定め、いかなる政治思想からも自由で独立した非営利組織」の人達が、みんな同じような視点でものを見てたりする。自由及び独立どこいった。この限界を個人としてできる限り広げるためには、様々な集団の考え方を経験するしかないのではないでしょうか。


 僕は、おそらく大学4年生としては、比較的多くのコミュニティに属したり関わってきた方です(注1)。今まで僕が生きてきた中で得た様々なものの見方、考え方、専門的知識の大半は、座学だけではなく、様々なコミュニティの持つ価値観を肌で感じ、比較し、統合し、自分の価値観を作っていくことで獲得され、また、より洗練されてきました。「視野の広さ」と一般に呼ばれるような能力を得る上で、様々なコミュニティを渡り歩いたり、恒常的に様々なタイプの人と会うことは欠かせません。学生として成績優秀であったり、高い専門的能力を持った人が、別の部分(人付き合い、交渉、恋愛、就職活動等々)で損を被る理由の多くは、閉じこもっていることによる世界の狭さ、世慣れ不足に起因します。なるべく広い世界を見て、今の自分と比較することは、それ自体非常に楽しいことですし、将来的にもプラスになります。大学の外、サークルの外、日本の外にどんどん出て、新しいコミュニティを開拓しましょう。よかったら学内や部内に引きこもっている同輩先輩も連れてってあげてください。


ちなみにここでいう「『外』に出る」とは、普段の生活サイクルで接する部分(大学、サークル、バイト等々)以外の人間関係に参加することを指しており、必ずしも物理的な外出である必要はありません。twitterでの議論に参加したり、ネットで知り合った仲間とスカイプ会議通話をすることもこの意味で十分に有意義です。そこからオフ会などのよりリアルな関係につなげていけば、得られるものもより大きくなるでしょう。行動力のある学生や社会人でも、ネットのツールや人間関係を活用できている人は少ないように周りを見て感じられますが、ネットを活用すれば大きな具体的メリットを得られます。


注1:一例…小学校〜大学のクラスや学部、塾、中学のブラスバンド、中国拳法道場の人達、筑駒Jugglersの人達、高校バンド、合気道道場の人達、東大の軽音サークル、一橋のジャズ研、一橋のアカペラサークル、AIESEC、研修で出会ったトルコの人達、ネタボケ企画の人達、FreedomSNSの人達、「名言と愚行wiki」参加者達、インターン等で知り合った企業/他大の方々 等々<参考>
リアルとネットの不適切な二分法がもたらすチャンスロス
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100201/1264973839
ネットを活用して豊かな人脈を築く方法についての考察。


体育会系苦手だけど、文化系ばっかじゃ組織がまわらん
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20091229/1262015117
どんな組織にあっても抑圧されない健全な欲を持ち続けることが大切。


就活で大事な気が個人的にすること
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100308/1267982229
外に出るのに便利な社交術入門。就活に限りません。



○自分の将来について常に思考しよう

 大学生活4年間を過ごした後、文系では大半の学生が就職することになります。理系でも、大学院でもう2年間を過ごした後で就職する学生がほとんどです。新卒偏重で転職や中途採用の市場がまだまだ小さい日本において、最初にどこの企業に就職するかというのはその後40年近いキャリアに重大な影響を与える問題であり、大学で過ごす上で、「自分は将来どのような仕事について過ごそうか?」と1年次から考えることは大切です。


しかし現実には、多くの大学生が何も考えずに2年以上を過ごし、3年の秋ごろに慌てて「就活」に参加し始めるというのが現実です。これはよく考えるまでもなくおかしなことではないでしょうか。中学受験を切り抜けた学生は、中学入学早々に大学受験を視野に入れた勉強を始めます。大学4年間のために中高6年間しっかり準備をして大学に入学した学生が、社会人生活40年間のための準備をせいぜい数ヶ月しかしないというのは、僕には非常に不合理に感じます。


 大学一年生から就職を意識した活動をすることを、僕は強く推奨します。これは例えば「自己分析」だとか「業界研究」だとか「セミナー出席」というような、狭い意味での「就活」ではなく、社会や経済、企業に関心を持ち、自分がどのように将来過ごしたいのかについて考察することです。そのためには、まず日経新聞やインターネットを通してニュースをチェックする習慣をつけることや、社会人の方と意識的に会いに行くことをおすすめします。世の中にはどのような職業があって、彼らがどのような生活を送っているのか、できるだけ実際に話を聞くことで学び、自分のキャリアに関する視野を広げてください。以下の本はこのテーマに関する良書で、僕も書評しました。是非買ってください。

<就活>廃止論 (PHP新書)

<就活>廃止論 (PHP新書)


 また、なんとなく資格の勉強(公務員、司法試験、公認会計士)を始めたり、大学院に進学することを決める学生は少なくなりません(多くの場合、学生の親が最近の事情を知らずに資格取得や院進学を薦めた結果だったりする)が、こういう場合も知らず知らずのうちに、不十分な情報に従って重要な決断をしている場合があるので気をつけてください。資格勉強をするのは勿論よいことだと思いますが、例えば公認会計士の勉強をするのであれば、公認会計士がどのような仕事を日々しているか、給料はどれくらいか、就職先やキャリアステップにはどのようなパターンがあるのかを知り、少なくとも2人位の実際に働いている会計士(資格予備校の人ではなく)に話を聞いてから勉強を始めるべきだと思います。ネットでもちょっと検索すれば以下のような情報は見つかりますし。

http://www.j-cast.com/2010/03/01060893.html
http://www.geocities.jp/cpattedou/CPAMAYOI.html

自分のキャリアを選ぶ上で大切なことは、誰も教えてくれません。自分で手と足を動かすエネルギーの有無によって、大学生活やその後の人生は全く異なったものになると、僕は考えています。<参考>

日本の産業を巡る現状と課題-経産省
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g100225a06j.pdf
最近ネットで話題になっていたもの。将来について考えるための前提として、日本の現状について理解するための、すごく良いレポートだと思います。


○各種補助を有効活用しよう

大学の授業料は高いです。比較的安い国立大学でも年間50万円強なので、週に1万円以上の授業料を払っている計算になります。それだけのお金を払うに値するだけ、大学を有効活用できている人がどれだけいるのかは、自分を含めてなかなか疑問です。大学の資源(授業、大学図書館、各種施設やサービス等)は最大限利用しましょう。


家庭にあまりお金がないという人は、学生支援機構の奨学金を借りるのはもちろんですが、

●民間の奨学金

●大学の学費免除

この二つを必ずチェックしてみてください。民間の奨学金は大学掲示板に張り出してありますし、学費免除は大学の事務に行けば詳しい書類が貰えます。僕のようにあまりお金の余裕がない家庭の場合、年間数十万円が浮く可能性があります(もちろん、それなりの成績を維持することが求められますが)。ちなみに僕の場合、

学費全額免除+月4.5万貸与の学生支援機構奨学金+月3.5万給付の民間奨学金

で、だいぶ助けられています。学生支援機構の方は家の生活費になってます。



<あとがき>

僕の立場から後輩に言いたいことは大体全て言いつくしたと思います。なにか分からないことや相談があれば、気軽にメール(プロフィール欄にメアドあり)やtwitter、コメント欄などで相談してください。はてなブックマークトラックバック、またブログやtwitterで広めてくれるのも(無断で構いません)随時歓迎しています。


大学生になると、高校以前に比べて、自分で考え行動することがぐっと増えると思います。そして、基本的にその責任は自分で取ることになるでしょう。その点で、勉強だけでなく、行動においても考え方の根本的な変更が必要です。記事を読み終わったらぜひ、実際に動き始めてみてください。。みなさんの楽しい人生と世界の未来が、これからの主体的な行動と選択にかかっています。


Good Luck!(´・ω・)





ためしに参加してみました。面白かったらクリックミー(´・ω・)



就活で大事な気が個人的にすること

僕がブログで就活について普段記事を書くときは、「とにかく本を読みなさい」「大学や組織の外に出ていろんな世界を見なさい」といった感じで、内面的な部分について話すことが多いのですが、それ以外に大事だなぁと思う点、すなわち外面(そとづら)について、思うことを述べてみたいと思います(´・ω・)


特に意識すべきは次の点です。


・姿勢
・豊かな表情(特に笑顔)
・声の抑揚
・身振り手振り
・聞くときの動作や相槌

さて、僕は「生き様は顔に出る」というのは相当程度正しいと思っていますし、言葉を数往復すればその人がどういうタイプの人間か(外交的か内向的か、プライドが高いか、頭がいいか等)が結構わかると感じます。上であげたような外に出てくる部分は、自分が喋っている内容と同じように、自分がどういう人間かというシグナルを送るので、強く意識してコントロールしなければいけません。例え知的だったり誠実な人でも、この多分一般に「誠実」と認識される特徴のうち、性格面は7割くらいで、残り3割はこういう問題じゃないかな。見た目や言い方を完全に無視して内面だけで判断するなんて対面では無理ですね(´・ω・)


例えば面接やOB訪問で、「斜に構えてる」「協調性がない」などのフィードバックをもらった人は、言ってる内容だけでなく、上記のように外面的シグナルにも問題がある可能性があります。自己チェックしてみてください。


・猫背、あるいは緊張しすぎてなんか不自然なまっすぐ姿勢
・表情が少ない。ネガティブな反応をすぐ顔に出す。
・平坦なイントネーションで低めの声。
・手はおひざ
・聞くときも無表情で「あ、はい」とかうなずくだけ


逆に高評価を貰う人は一般的に、今までの人生における人付き合いの経験から、以下のようなことを自然と行っています。


・猫背にならず、緊張で背を張りすぎず、リラックスしながらもまっすぐな姿勢を取る
・笑顔が多く、面接官も引き込んで笑顔にしようとする(面白いことを言って笑わせるとかでなく)
・抑揚のある声。それでいて大きすぎたり、わざとらしくない。重要な部分はわざと少しゆっくり喋るなどの緩急をつける
・オーバーすぎない程度に手振りをつける(自分の言おうとしていることを手振りで可視化する)
・もっと聞きたいという好奇心旺盛な目、やや前傾して相手の話に食いついたり。その食いつき具合にも、全部前傾姿勢でうなずくのでなく強弱をつける


そして、これらは心がけと訓練次第でかなり変えられるものです。個人的な経験として、例えばかねどーは今でこそ一応は社会に適応してますが、高1位まで外見も内面も、わりとステレオタイプな「キモオタ」でした。より具体的には、角刈りの太眉毛でユニクロの色が薄いチェックのシャツをGパンにタックインして、リュック背負って電車の中でゲームボーイアドバンスやってる男子校生でした(´・ω・)


ある日、あまりに非モテすぎて頭がおかしくなったのか「ダメだ。このままでは一生もてないし童貞のままだ。そんな自分は認めない。変化しなければ。Yes,we can!」みたいな感じで突然奮い立ち、今までの自分を否定しながら1からファッションと社交の基礎を研究し、習得しはじめました。恥ずかしいからESには書きませんが、あの頃の、「モテるためなら手段は選ばないし自己否定も厭わない」みたいな気迫と挫折は、その後のかねどーにとって大事な経験だったと思ってます。ただし内面はそのまんま。それはともかく、社交面においては以下のようなことを考えて実行しました(´・ω・)


・塾に行くたび、女の子に一回は話しかける。男子校生活が長い人はわかると思いますが、本当に話し方を忘れるというか、何を話していいかわからなくなるんですよね。最初は授業の話をしたり時間を聞いたりばっかりでした。キモス
・表情筋のトレーニング。毎日鏡の前でくっきり笑顔を作ったりして筋肉をほぐす。
・姿勢を正す。立つときは膝を曲げずまっすぐ。背筋も張りめ。これを意識しなくても自然とできるようにする
・話すのが上手、聞き上手だと自分が思う人やテレビの芸能人を参考にして、聞くときの動作、相槌、言葉の抑揚などをコピーする。自分が笑顔だと相手も自然と笑顔になるので、笑顔の割合を増やす


今では完全に内面化されて、意識しなくてもやっていることです。元々小さい頃から社交的に育って、こうしたことが自然とできる人から見たら、このような努力は滑稽にうつるかもしれませんが、かねどーのようにそうでない人はどこかで訓練した方がいい。大学生にもなると誰も言ってくれません(´・ω・)


内面>外面とか、内面と外面がきれいに切り離せるとかいう信仰は、なんだか「近代」的で違和感を感じます。自分が外面を変えなかったら今の内面ではなかったと思いますし。「企業が自分の内面を見てくれない」「薄っぺらい『コミュニケーション能力』ばかりが重視されている」と嘆く人が時々いますが、内面までダメに見える外面を意識的に矯正することで、その何割かの人は悩みが解決できるかもしれません。明日から気をつけてみてください(´・ω・)

実名でネット活動をする学生が増えているようだ

kanedoが最近考えているテーマである、「ネットで『飛び地』の人脈を構築してチャンスや楽しみを増やす方法」シリーズの記事です。過去記事はこちら(´・ω・)


リアルとネットの不適切な二分法がもたらすチャンスロス
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100201/1264973839

ネットで情報共有が進むほど、足で情報を集めるのが大事になるかも
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100216/1266316636



近頃は実名でブログやtwitterをする学生も増えているようですね。ちなみに「実名でブログ書く学生のブログは面白くない」というのがkanedoの持論です(知っている限り2つくらい例外あり)。新しくネットで活動するにあたって、自分の情報をどの程度公開するかというのは結構重要な問題なので、ちょっと考えてみました。僕の結論は、「完全実名は、本を出版している人やフリーランスで働いている人にとってはメリットが大きいが、ネットで機会を増やしたい学生の多数派にとってはむしろデメリットの方が大きい。ただし肩書きをある程度出すのは有効」というものです(´・ω・)


ネットでの活動によって僕が目指しているのは、ブログやtwitterをきっかけに、今まで面識の無かった面白い人、優秀な人、kanedoの言動が好きなおんなのこ等と、スカイプや実際に会っての会話を通して交流するようになることです。そのために必要なのは、発信している内容において、ネット上で情報を発信している無数の人と少しでも差別化することだと考えています。例えば、「起業を志す学生のブログ」は結構あるけど、「童貞研究家のブログ」はなかなかあるまい。最近童貞研究記事を書いてないけど、スノボ合宿の深夜トークで考えが深まったので近いうち書きましょうか(´・ω・)


まぁこのブログのタイトルは半分冗談ですが、差別化のために、例えば「世間の人がなかなか言わないけど言ってしまえば結構同意が集まるようなことを言う能力」が自分にあるのであれば、それを最大限活かした方がいい。そのための制約は、無ければ無いほど望ましいですね。実名でブログをやっていると、そのような自由な言動を妨げるしがらみがどうしてもできやすいわけです。だから僕は、「とりあえずリアルで自分の周りの知り合いに知ってもらう」というような、mixi的なネットデビューをあまりお勧めしません。twitterでとりあえず友人だけフォローしているような使い方では、ネットを戦略的ツールとして使うことは永遠にできないでしょう。しがらみから自由になって、自分の一番(知的にでも、そのほかの意味でも)面白い部分を出して行った方が、僕が目指しているようなコミュニティの拡大という目的には役立つと思います(´・ω・)


※少し話はそれますが、学生のブログ程度なら本気を出して調べれば結構足がつくので、匿名だからと言ってやりたい放題やるのもリスキーだと思います。例えば就活中であれば、たとえ匿名でも企業の採用担当に見られることは意識して書いていた方がよい。毎年ブログが2ちゃんねるに晒されて炎上したりして問題になる人がいるので。kanedoは何かをdisる時も結構ありますが、(1)基本的に特定個人はdisらない。「〜な人々」「〜系」など、より広い対象にしておく。ただkanedoにdisられた位ではびくともしない有名人の場合は例外あり(2)disる際には理由を述べて対案を出す(3)反論の可能性も想定して自分の言動には責任を持つ、と言ったことを意識して、それなりに角が立たないようにはしていたりします。


ブログをチラシの裏にしたい場合は話は別ですが、戦略的ツールとして用いる場合、客を意識して記事を書くというのは最低限必要なことです。読者は意識の高い学生(笑)の決意の言葉よりも、もっと刺激的だったり、新しかったり、爆笑できたりするものを求めているわけですね。kanedoはリアルでもこんな感じですが、世の中には、物凄く面白いものを持っているのに、シャイで対面ではなかなか外に出してくれない人がたくさんいます。実名をあまりに重視する傾向は、このような部分からあらわれてくる面白さを殺してしまうことでしょう(´・ω・)


さて、そうは言っても、完全に匿名で何者かわからない場合、読者やフォロワーも「実際に会ってみようか」とはなかなか思わないことでしょう。オフ会にホイホイ行っている僕でも少し怖い。そのような場合に「○○大学の学生」「○○の内定者」「本を出版した」「このサイトを運営している」といった肩書きはシグナリングとして有効です。だから僕は「一応肩書きだけ公開して、まぁリアルで知っている人なら誰かわかるだろう」程度の露出度を採用しています。より発言の自由度を優先したい場合は公開情報を減らせばいいし、そこはバランスですね。わかっていただきたいのは、「実名」と「匿名」は二択ではなく連続的なもの、自分の表現したい内容や表現を通して目指す目的との兼ね合いで意図的に決めるべきものであり、「実名で活動すべきだ」のような議論はバカバカしいということと、ネットのオープンさを過小評価してやりたい放題すると脇が甘い人はヤケドするよということです。上で紹介した記事を読んでネットでの主体的活動を始めようと思った人は、ネット上における「自分」をきちんとコントロールし、自分の目的にかなうよう設計してみてください(´・ω・)