体育会系苦手だけど、文化系ばっかじゃ組織がまわらん

<注意>
当記事はネタです。実証なく仮説に仮説を積み重ねており、管理人の偏見や雑な一般化がいつもに増して含まれておりますが、気を悪くしないように。特定の個人あるいは特定の集団をdisる意図はありません(´・ω・)<要約>
体育会系風土は人間の精神に有害だけど、文化系風土からは組織に役立つ人材が生まれにくい。どんな組織にあっても抑圧されない健全な欲を持ち続けよう。<本文>
中高大と体型に反して純文化系的風土で育ってきたかねどーは、いわゆる体育会系的風土が嫌いです。ここでいう体育会系的風土とは、次のような傾向を持つ組織文化を指します。

・組織への肉体的、精神的な強いコミットメントを強制する。構成員はその集団内の人間とばかり過ごし、独自の文化を形成する。
・個人や倫理よりもその組織の論理が優先される
・年齢、学年、年次が上の人間を敬い、無条件に従うことをよしとする
・問題を合理的手法よりもやる気や根性で解決しようとする。やる気や根性が、成果につながらなくても評価される

※スポーツマンの名誉のために言っておくと、体育会系組織に属していても外に出れば知的で面白い個人はいっぱいますし、これらはなにも高校や大学でスポーツをする組織だけに見られるものでなく、文化系の活動をする組織でもブラスバンド等にはよく見られるようです。またかねどーが見聞きした範囲では、発生率と学校の偏差値は負の相関を持ちますが、それはある文化系の人間を取りだした時にその人が体育会系の人間より知的に優れていることを全く担保しません。頭悪いから嫌いというよりは美意識の問題です。夏インターンで行った日系コンサルタントC社のように「理屈は通るけど、いざとなれば体力と気合で解決もする」という知的な体育会系はわりと好き。


このような組織文化は、個人の自由で多様な精神を抑圧し、知性の成長に悪影響を及ぼすと考えています。また、例えアホな意見であっても年次が高ければ意見が組織内で通りやすくなるので、権力がうまくガバナンスされなければ組織の意思決定が劣化すると予想されます。体育会系的組織は中にいる「人間」(西洋近代的意味での)を幸せにしません。


ただし、自分で考えて物事を決めたり、様々な活動で自分の好きなように時間を使ったり、個人として幸せを追求することが苦手という人はいると思いますので、そういう人には向いている組織風土だと思います。あと、能力が高くないからフェアに評価されると誰にも威張れない人でも何年か我慢すれば下に威張りちらすことができるので、そうしたい人にも向いているでしょう。
・共通の閉鎖的価値観
・非合理がまかり通る
・(戒律あるいはルールへの)全人格的で厳しいコミットメント
・自虐的厳しさを乗り越えて、魂の救い(「何かに『本気』で取り組むアツい経験」、「大学でしかできないこと」、就活で話すネタ)を得る
・弱者救済、奴隷道徳(「ある行動の結果からその行動の価値を判断するのからはぐれて、ある行動の”意図”からその行動の価値を判断する」―ニーチェ
というような点において、体育会系と宗教には共通性があります。まぁ宗教が閉鎖的というのは、例えばイスラム社会が様々な文明の技術を取り入れながら中世の先進社会となったことなどを考えれば失礼な気もしますが。


ここまで言ってきたことは主に体育会的組織のダメな部分ですが、では組織から「体育会系的なもの」を全部取り除けば即強い組織、成果を出せる組織になるかといえば、全くそうではないと思います。例えば、kanedoは中学高校大学とずっと音楽系の部活やサークルに所属していますが、この音楽サークルという文化は、組織にとって「使える人材」を育成しません。当然サークルは楽しむための組織であり、音楽が好きな人間が好きに音楽をやるためにあるべきだと思っているので、それによってkanedoが考える音楽サークルの良さは損なわれませんが、とにかく将来何らかの組織のためになる人材が現れにくい。なぜか。


組織が成果を出すうえで必要不可欠な人間は3種類いると勝手に思ってます。

1.リーダー。一つの強い価値観を持ち、組織の人間を巻き込んで引っ張っていけるような人材。
2.参謀。視野が広く人生経験豊富で、冷静に組織全体を眺めながらリーダーが間違った方向に向かっていないか監視し、調整や軌道修正を行える人材。
3.兵隊。忠実さと体力のある人材。

さて困った。「サークル内では自由度が高いけど、全体としては閉鎖的で外に出ない」という音楽サークルからはどれも輩出しそうにない。上下関係も少ないし、バンド形式なら自分が組みたい人間とだけ組めばいいから、嫌な人間ともなんとかうまくやっていく我慢や政治も少ない。また楽しければまぁOKという現状肯定になりがちなので、組織を改革したりなにかを革新的なことを成し遂げることも必要ない。それでいてサークル内で完結しているから、共通の価値観にいつのまにか組み込まれてしまって視野が狭い。kanedo個人としては音楽系の人が好きですが、例えば組織で採用を任されて「組織のためになる人材を採れ」という職務に従った時、その結果の中に音楽系はあまりいないような予感がなんとなくします。属したことないけど、テニスサークルやイベントサークルも性質的に近い気がする。


その点体育会系は上の人間の責任が重いので、時に1を生み出すことがあります。リーダーというのは、人を引っ張るためにどうしてもわざと視野を狭め、意識的に一つの価値観にコミットできる人でないといけない。また少なくとも3は安定的に生産できる。組織のために使える人材の育成という面では、体育会系に軍配があがるでしょう。ちなみにkanedoは2メインで時に1をやるような人間志望ですが(今まで見てきた中で、1として強烈な才能を持ってるいる人は他にいるように感じるので、比較優位的に多分2がいい)、2は組織風土からでなく個人レベルで発生するものだと思ってます。


では、結局我々学生はどうすればいいのか。色々な組織を見たうえで、自分が属したい組織に属せばいいと思ってます。ただ、どこにいるにしても外部機会の存在を認識し、「これは自分に合わない」と感じたら抜けた方がよいでしょう。組織は個人の幸せのためにあるもので、組織のためにあるものではありません。楽しい人生のためには、規律や体面の内部化を拒否し、「自分はこうしたい!」という健全な欲を持ち続けることが大事だと思うのです(´・ω・)



(補足)
この記事における「知的」の定義は、このwikiにおける定義とほぼ一致します。受験的な偏差値の高低については、相関はあると思いますがここでは問題にしていません。
http://toturev.sakura.ne.jp/totutohoku/index.php?%A1%CA%B2%F2%C0%E2%A1%CB%C4%EA%B5%C1%A1%D6%CB%DE%CD%C7%A1%A2%C2%E7%BD%B0%A1%A2%C3%CE%C0%AD%A1%D7