内定者から学ぶことはあんまりない


<結論>

かねどーの言うことなんて真に受けてはいけない(´・ω・)



<本文>

就活をしている頃「一流企業の内定者に話を聞く会」みたいなイベントの案内メールがよく来ました。かねどーの私見では、こういうイベントに行っても就活生にとってプラスになることはほとんどないと思います。もしかすると、ある友人が言っていましたが、あの手のイベントは大体がセミナー参加者にとってよりも内定者のプライドを満たす的な効用が高いのかもしれません。勿論、イベントを設定する側も参加する側も内定者(最大限善意的に解釈)も、有意義なイベントにしようと頑張っているのに、なぜそうなってしまうのでしょうか(´・ω・)


1.就活の結果は8割がファンダメンタルな要因で決まるが、それはイベントで内定者に会う頃にはもう遅い

このようなイベントに我々やみなさんが参加するのは、早い人で3年生の5〜6月、普通は10月〜2月だと思います。しかし、僕の実感では、就活の8割はその人のファンダメンタルな要因で決まります。それはすなわち、今までの二十数年をどう生きてきたかによって決まる地力であり、最後の半年に自己分析や面接対策をがんばったところでそう変わるものではありません。この部分に関して今更内定者から得られるものはなく、内定者が自分のファンダメンタルを築いた経験について語っても、結果的にどうしても内定者の自慢話になってしまうのです※。

※例:kanedoの就活まとめ記事

ここで、「ちょっと待った。それって内定者懇談会に限らず、全ての就活イベントに言えるんじゃない?」と思った方もいるかもしれません。はい。kanedoはそうだと思っています。いくら「ハイレベルな学生」の集まるイベントに参加して「『一流企業』の社員/内定者/OB/代表」から話を聞いたって、その人が内定を得る確率には多分あまり影響しません。もしファンダメンタルな面について内定者から何か得るとするなら、まだ大学1年とか2年前期のうちに話を聞いて、その人が何によって成長したかとかを知り、その中から真似できる部分を真似するのがいいかと思います。


2.テクニカルな要因については、自分でいくらでも調べられる

「就活の8割がファンダメンタルな要因で決まる」という仮説が正しければ、イベントに内定者として来ている人を内定に導いたのもおそらくファンダメンタルな要因が中心で、その人のテクニカルな要因(自己分析、業界研究、筆記の勉強、GDの技術、面接対策…)が他の就活生と比べ圧倒的に優れていたから内定したという可能性は低い。となると、イベントに出席することによって内定者から内定のための物凄いテクニックを学べるというのはあまり期待できないでしょう。テクニカルな部分が就活でそれなりに重要なことは確かですが、例えばGDや面接は回数をこなすことで経験値がたまる(その溜まり方は個人の学習能力に依存)ものでテクニックどうこうという感じではないですし、筆記やES対策についてはネットで調べればいくらでも出てきます。自分で調べるか内定者に聞くかは、趣味の領域ですね。例えばkanedoは外資のESやコンサル筆記(判断推理とか)で落ちたことはありませんが、ESで落ちなかったのは2年次の海外経験がきいているためだと思いますし、コンサル筆記について聞かれても対策本を紹介することしかできません。ほら参考にならない。


3.情報は、社員さんの方がずっと沢山持っている

ファンダメンタルな要因と、自己分析や筆記対策のようなテクニカルな要因以外で内定を左右するのは、自分が受けている業界についての情報です。自分の受けている企業では具体的にどんな仕事をしているのか、何が大切なのか、どんな生活スタイルなのか、最近は業界でどういうことが話題になっているのかといった情報を持っていると、志望動機を固めたり社員さんと面接で対話する際に大きな助けになります。しかしこういったナマの情報は、現場で実際に働いている社員さんに聞いた方がいいに決まっていますね。面接で何か言う時も「内定者の方に伺ったのですが…」よりは「社員さんに伺ったのですが」の方が説得力があるでしょう。この面でも内定者の方々に比較優位はありません。余談ですが、社員さんに聞きたいことのうち自分が特に重要だと思うことについては、同じ質問を様々な社員さんに投げかけて答えを頂くことで、より多面的なイメージを獲得するのが有意義です。


4.内定者だって、運が良かったから内定している

もうひとつ大事な要因があります。運と縁。kanedoが持っているイメージだと、例えばある外資系企業の倍率が100倍だったとして、10倍に絞られる位までははっきりと差がつきますが、この先は企業との相性及び運が結果を相当に左右すると思います。外資系金融/コンサルのように、倍率が高いと同時に内定者の絶対数が少ないような企業では特に。僕がなんとか内定を獲得できたのも、僕の性格や考え方と企業の文化がよくマッチしていたことや、たまたま面接の中で僕の良い部分が出せた(そういう面接官の方、質問にあたった)からという要素が結構あると思っています。我々人間は、いい結果が出た時には自分の実力でそれを説明し、悪い結果が出た時には運で説明したがるバイアスを持っています。そう考えると、内定者というのは多分就活生が思っているほど特別な人間ではありません。内定者と同じくらい、あるいはそれ以上の実力を持ちながら(実力の定義が難しく、感覚的になってしまいますが)内定を取れない人もたくさんいるのです。だから、数百倍〜千倍の倍率を切り抜けた物凄い人に会えると期待して行くと「あれ?」となる可能性があります。上記のバイアス(実はかなりの部分まぐれにすぎないかもしれないことを、そうと認識できない)については、この本が面白いのでぜひ読んでみてください。


ここまで、内定者のことをなんか偉そうに、あるいは自虐的にボロクソ言ってきましたが、じゃあ僕らは一学年下の人に対して何ができるでしょうか。個人的には、謙虚になって自分の感じたままの真実を伝えることと、心理的な面で相談に乗ることくらいかなぁと。イベントから学んだことはなくても、イベント参加によってモチベーションが上がった結果自分で勉強を始め、それがプラスになることはあるでしょう。もちろんkanedoも自分のプライドを満たすためだけにイベントに参加したいとは思っていないので、誰かしらに呼ばれたら出来る限り就活生にとって有益な話ができるよう準備をしていくつもりですが、「就活はファンダメンタルな面で8割決まる」という意識を持って、長期的習慣的に自分を鍛え上げてくれれば、僕が加えて言うことは特にないかと思っています。それでも何か力になれそうなことがあれば、相談に乗るので声をかけてください。付加価値がないだけでなく下品な内定者にならないよう気をつけますね(´・ω・)<追記>
ブログにtwitterを組み込んでみたよ。フォローしておくれ(´・ω・)