就職活動のまとめ ※随時更新

思ったことを少しずつ書きとめていきます。面白いものもあれば、人によっては不快になるものもあると思いますが、読みたい人だけ自己責任で読んでください。聞きにくい質問はメールかスカイプチャットで(´・ω・)


●雑感(12/21)
仮定の話をします。

kanedoは人生のある時点で、卒業生の過半数が東大に進学し、現役では大半が東大を受験する高校において、「東大受験をやめて(あるいは諦めて)、一橋を受験する」という意思決定を行いました。ここまでは事実です。もちろん理由はいくつかあるのですが、例えば僕があの時に東大を受験し、合格(予備校の統計的には半分程度の確率で起こった事象)、現役で進学したとして、その2年半後に外資金融あるいは外資コンサルから内定をもらったかといえば、絶対にもらわなかったのではないかと思います。あまりいい表現とは思いませんが、おそらくは「平均よりはいくらか優秀な東大生」という、悪くないけどそう目立たない存在になっていたことでしょう。

就職活動の結果に影響を与えた要素は運や相性もありますが、実力面で一番大きかったのは、「とにかく外に出たい、とにかく視野を広げたい」というエネルギーであり、具体化としての海外インターンや年70〜80冊の読書でした。そして、そのエネルギーの源泉となったのはおそらく、「自分は『レール』を外れたのだから、何かしなければ」という危機感、強迫観念です。東大生には劣等感も対抗意識も持っていないつもりですが、kanedoを学ばせ、誰かの目にとまるような存在にした何かは、お金を稼ぎたいというようなわかりやすい所からでもなく、社会貢献というような崇高なものからでもなく、僕の中の薄暗い部分から出てきている気がします。「自分は自分」と自由に生きているようでいても、幼い頃からの親や環境による刷り込みからはなかなか抜け出せないのでしょう。

とは言え、過去がどうであろうと、結局重要なのはこれから何をするかという一点だと思います。だから今は笑顔で結果オーライと言うことにします。


●何をやっていたか(12/22)
kanedoはコンサルティング業界が第一志望で、結局外資コンサルと外資金融、またそれらと仕事内容が近い日系企業しか受けませんでした(全体で15社くらい)。もちろんそれに絞りこんでいたわけではなく、全部落ちたら日系の就活にもごく普通に参加するつもりでしたが、幸運なことに縁があったので就活終了。OB訪問や学内説明会への参加、SPI対策といったことはしていないので、来年以降に日系の就活をする人にはあまりアドバイス出来ることがありません。ゴメンネ(´・ω・)

kanedoがやった就活っぽいことは、自己分析(今までの経験を振り返ってひたすら考える)などES/面接のネタ作り、業界や仕事内容についての情報収集と把握、コンサル独特の特殊な筆記やケース面接の対策といった程度でしょうか。中学受験経験+家庭教師業務が自然と筆記対策になっていたりもしたので、あとはせっせと実際の選考を通して実地訓練。就活関係のセミナーには1〜2回参加しましたが、モチベーションを保つための気分転換以上の意味は特にありませんでした。前に日記で書いたGDのメソッドはどこかで習ったものでなく、実践の中で暇つぶしと実用を兼ねて考えたオリジナルだから身につけたら差別化できるかもよ!実行して落ちても責任とれんけどね!(´・ω・)

情報収集は極めて重要です。情報から隔絶された一橋大とかだと特に。ネット上では例えば、「外資系への道標」なんかは皆見てるし、ちょっと情報古いけど参考になると思います。kanedoはこれ以外特に見てませんが、他に情報が新しい所があったらコメントで教えてください。リクナビマイナビ?それなぁに。
http://gaishi.seesaa.net/

(1/8気まぐれ追記 情報早そうなところ)
http://naitei.seesaa.net/
http://s-value.jp/
http://www.infinity-campus.jp/

しかし、ネットでの情報は誰だって手に入るわけで、差がつかない。差をつけるのは自分の足でかき集めた情報です。説明会、インターン、OB訪問、友人からの伝聞、なんでもいいので、自分の目指す業界ではどんな仕事をするのか、今どういうトレンドがあるのか、選考はどんな感じなのか、リアルな知識を獲得しましょう。あと筆記で落ちてもバカバカしいので筆記対策も忘れずに(´・ω・)

具体的には下のような感じです。書いてないけど情報収集や自己分析、志望動機練りやニュースのチェックは常にしています(´・ω・)

6月:外資インターンES受付開始。ES書いてエントリー。コンサル筆記の対策したり、説明会でいろいろ質問して自分の中で仕事のイメージを固めたり
7月:外資インターンの選考。GD経験が増える。初ケース面接。大学の授業と就活の両立を放棄(この結果期間GPAが半分になった)
8月:欧州投資銀行B社、米系コンサルB社のインターンに参加
9月:欧州投資銀行D社、日系コンサルC社のインターンに参加。インターンは自分の無知さ無力さを思い知った非常に良い経験
10月:コンサル本選考のエントリー。ゼミやサークル活動もあり忙しい。この辺から躁鬱気味になる。コンサルの筆記や面接対策
11月:投資銀行の本選考エントリーや、コンサル本選考。落ちまくって結構へこむ。自分TUEEEと自分ゴミの繰り返しで躁鬱悪化。最終的に内定先となる会社の個人面接が進んでいって毎回ドキドキ
12月:投資銀行の本選考真っ最中に、外資コンサルティングファームから内定をいただき、オファーレターに即サイン。第一志望だったのでそのまま就活終了

山あり谷ありでした(´・ω・)


●おすすめの本(12/22)
就活系の本は一応ちょいちょい見てましたが「これのおかげで通った!」みたいなのはあまりありませんでした。それよりも、興味に従って様々な分野の本を継続的に読む(週1〜2冊)習慣が役に立っていたと思います。あと新聞は(できれば日経)読むこと。いわゆる就活マニュアルみたいなの(絶対内定とか?)って読んだことないけど、おもしろいのかなぁ(´・ω・)

対策したのはコンサル筆記くらいでしょうか。外資系への道標とかで既に紹介されてる本以外では、下のクリティカルリーズニング対策本(完全日本語)は役に立ったと思います。コンサル受験者は、例えばあの高くて使えないGMAT対策本とかは買わなくていいと思う。買うなら「標準 判断推理」とこれだけでOK。

論理のスキルアップ―実践クリティカル・リーズニング入門

論理のスキルアップ―実践クリティカル・リーズニング入門

上・中級公務員 標準判断推理―確かな解答力が身につく“基本書”

上・中級公務員 標準判断推理―確かな解答力が身につく“基本書”

あと、kanedoのような商学部生は必要ないですが、経営学について少し予習をするとコンサルでも事業会社でも選考に役立つと思います。経営学って言ってもいろいろありますが、GDや面接で関係あるのは経営戦略論と会計の初歩、投資銀行を受けるならそれに加えてコーポレートファイナンスをやりましょう。

経営戦略論に全くなじみがない人(マーケティングの4Pとか、ポジショニングとか差別化とか言われて、何それ?って人)は、マーケティングか経営戦略の本をなんか一冊読みましょう。コトラーとか分厚い奴でなく、手軽に読めるやつ。おすすめはこれ。

わかりやすいマーケティング戦略 新版 (有斐閣アルマ)

わかりやすいマーケティング戦略 新版 (有斐閣アルマ)

あと、会計に全くなじみがない人(変動費と固定費の違いが分からない、損益計算書ってなぁに?って人)も、新書レベルでいいので一冊読みましょう。こっちはちょっとオススメがぱっと思い浮かばないので、その時に売れ筋の社会人向け会計入門みたいなのでいいとおもいますが、よさげなのを探しておきます。

コーポレートファイナンスは、以下の本が最強ですが、いかんせん高い…図書館で借りて第一部と第二部(1〜9章)、あと効率的市場仮説について書いてある13章をぱらぱら読めば十分かと思います。

コーポレート ファイナンス(第8版) 上

コーポレート ファイナンス(第8版) 上

  • 作者: リチャード・ブリーリー,スチュワート・マイヤーズ,フランクリン・アレン,藤井眞理子,国枝繁樹
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2007/03/15
  • メディア: 単行本
  • 購入: 2人 クリック: 117回
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外資に行きたい下級生に読んでほしい記事(12/22)

http://saikyo-shukatsu.com/2009/04/2011-messege.html

上記のことから、自分に合った会社に入るためには、本格的な採用が始まるまでの時間で企業の採用ニーズを満たすアッパー層に成長していることが重要になります。

それでは、真の実力を兼ね備えたアッパー層になるためには、何が重要なのかということです。

それは『早く始める。今すぐ本気で就活を始める。』ということです。

なぜなら就活は一度きりであり、OB訪問、セミナー、エントリーシート、筆記テスト、面接、といったイベントは行われる時期が限られています。よって、同じタスクが何度も繰り返し起こる可能性が少ない。よって、ノウハウが非常に溜まりづらい。そして、時期を逸してしまうと、機会が完全に閉ざされるということがあります。さらに、内定するためにはその企業への決意や覚悟が求められる。または、内定後の拘束が強化される可能性があるため、しっかりと企業を理解し考える時間が必要になります。

結果、就活アッパー層を目指すためには、「自己分析」「ビジネス思考インストール」「就活ノウハウの積み上げ」「企業分析」といった時間がかかるタスクをしっかり出来ているかがハブになるため、必然として時間がかかるのです。すなわち、4月の最終面接に着地点を合わせなければならないため、早く始めることが就活を成功させる上で一つの大きなポイントになるということです。

二言メモ:外資の場合は、この記事のタイムスパンより2ヶ月くらい早く、6月くらいからのスタートになると思います。長丁場ですが頑張って。


http://u318.seesaa.net/article/77585322.html

●就活の事実:就活の勝負は、就活前から決まっている。
考えてみれば当たり前だ。ダメ人間が、自己分析と筆記試験を必死に頑張ったところで、どうにかなるわけではない。就活で理想の就職先に決まるのは、ファンダメンタルな要因が8割だと思う。これは僕の経験からして正しいと思う。
だが、就活生の大半は大した実力の差がない。そのレベルではテクニカルな、いわゆる就活対策が役立つ可能性はまだ大いにある。

●就活は自分で考えて動け
就活は疲れる。周りの人たちについて行っているうちに、変てこセミナーと勉強会の嵐にのみ込まれる。その中でも時間を絞って、OB訪問などを精力的にこなす人たちがいる。本当にすごいと思う。
だが方法論が間違っていれば、いくら頑張ったところで目的地には到達できないという事実を覚えてほしい。自分の入りたい企業に入るために、本当になにが必要なのかという事実をとことん考えることが、効率的な就活につながる。セミナーに参加して、就活しているつもりになっている人たちが、一番危ない。

二言メモ:kanedoが唯一OB訪問、というか上級生訪問した(当時外資コンサルM社の内定者)方ですが、その時に聞いた「就活は結局、今までの21年間の積み重ね」という言葉は今もその通りだと思っています。


http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20061230/1167474130

要するに、仕事というのは、意志決定の連続であり、どれだけ質の高い意志決定ができるかで、
仕事の質が決まります。
そして、質のよい意志決定をするためには、
「なぜ、自分は、この行動を取るのか?ほんとうに、この行動が最適な行動だと言えるのか?」
ということを、徹底的に自問自答しながら行動しなければなりません。
有能な人というのは、常にそれをやっているわけです。
そこまで徹底的に鋭く判断をしながら行動しているため、
自分がそれぞれの場面で行った意志決定の理由を、細部まで鮮明に覚えているのです。

この、「狭く深く」タイプの質問に模範解答するには、
普段から、最高品質の意志決定をし続けなければなりません。
何となくそういうスライド構成にするのではなく、なぜ、そのスライド構成が、もっとも
顧客の心をとらえると言えるのか?
なぜ、そのツールを導入したのか?
なぜ、その業務フローにしたのか?
常に、それがその時点で最高の判断である理由を、誰もがなるほどとうなずく説得力のある言葉で、
明快に説明できるようにしておかなければなりません。
その方法は、こういう理由で、問題があったのではないか?とつっこまれたときに、
きちんと反論できるようにしておかなければなりません。
常に、3年後の転職の面接の時、スラスラと答えられるようにと、意識しておかなければなりません。

二言メモ:新卒の面接も一緒です。昨年夏にトルコの海外インターンに行った時は、これを常に意識していました。


●一橋大生が外資に超少ない理由(12/24)
 コメント欄で書いたように、外資の就活は(ESさえ通過してしまえば)学歴関係なしの個人勝負だと思われますが、インターンや採用選考に最終的に残る学生の大学分布には強い傾向があります。具体的には、kanedoの会った数十〜百人程度の中では下のような感じ(´・ω・)

東大 60%
慶応 25%
京大 10%
他 5%

(「他」には早稲田、一橋、海外大学等が含まれる。そういえば、東工大は会った中には一人もいなかった)

 社員さんの出身大学分布も企業によりややばらつきはありますが同じです。夏にコンサルや投資銀行インターンに行き、またインターンや採用プロセスで多くの社員さんに会いましたが、インターンで一橋生と一緒になったことは一度もなく、社員さんでも1人だけしかお会いしませんでした。

※参考までに、一橋生の進路状況についてまとめた大学発行の小冊子によると、いわゆる外資戦略コンサル(M社,B社,B社,B社,M社?)に入ってるのは、H16〜の5年間で累計8人(年平均1.6人。興味深い補足としてそのうち6人が女子、院生は0人)です。採る人数多いA社やIT系等を含めれば外資コンサル全体で累計30人強くらい。外資金融も累計30人強くらい。下級生と話していると、こういう選択肢に興味を持つ人も結構いるようなので、中期的には増えていくのではないかなとkanedoは予想してますが。

 外資に一橋の学生、卒業生が非常に少ないことについては結構面白い現象だと思っていますが、「これだ!」と言えるほどはっきりした理由はわかりません。思いついたなかで、説明力のありそうな仮説を以下で紹介します(´・ω・)


①絶対数の少なさの問題
 一橋が一学年1000人に対し、東大は3000人、慶応は7000人くらいいるようです。絶対数の差で全ては説明できませんが、理由の一端は担っているでしょう。

②校風の問題
 一橋は伝統的に日系大手への就職が強い大学ですが、一橋の学生と他大の学生に会った時の印象を比べるとその理由はわかります。個人差は大きいですが無理に括ってしまえば、わが校は「おとなしい、論理的、保守的、内向き、やや卑屈」という感じ。ゆえに非常に居心地はいいのですが、自らリスクを取って周りのやらないことをやるアグレッシブな人の割合は少ないと思います。そして外資就活は、論理力や説明力といった要素とは独立にそういうアグレッシブさが求められます。またkanedoが極めて優秀だと思う人にも、そのような性質を持った人が非常に多いです。
 一応付け加えると、kanedoがそういう性質を好いているとは限りません。「社会に貢献するんだ!起業だ!これからは外資だ!」みたいな暑苦しい人苦手です。ただ、一橋大生一般はもうちょっと増長して傲慢になっても大丈夫かと。正直なところ「自分はトップクラスに優秀」って(客観的事実はともかくとして)思えてる人が外資就活には向いている気がします。自分すげぇ→あっやっぱ自分クズだ→いややっぱり自分神→死のう…って繰り返しが人を育てるのではなかろうか。

③情報の問題
 校風とややかぶる部分がありますが、一橋は周りにも先輩にも、外資をそもそも受ける/受けた人が少なく、また地理的にも隔絶されていて他大との交流が少ないので、そのような選択肢があると意識したり、選考についての情報を得る機会が少ないと思います(kanedoが初めて意識したのは、大学のキャリアデザイン委員会がマッキンゼー社員を呼んで企画した講演会に1年次終わりにたまたま参加した時)。周りの人間が受ける業界に左右されるということについては、面白い体験として、D社のでインターンをした後で懇親会に呼ばれ、社員さんから「周りの人はどんな業界受けるの?」と聞かれた時、他大の人は「金融」「コンサル」「商社」「広告」といった感じで、kanedoだけが「メーカー」という単語を出して、周りから軽い驚きのような反応を受けたことがあります。ちなみにkanedoも外資落ちてたらその後はメーカー中心に受けてたはず。

④能力のばらつきの問題
 こういうこと言うのも不遜でイヤですが、周りを見ている限り、外資インターンや本選考で残るのは、知識/論理力/数理的能力/説明力/精神の成熟度その他モロモロ、学生レベルとしては「飛びぬけて優秀」な層が中心です。「優秀(一流と言われる大学の平均程度に)」じゃだめ。
 もし、こうした能力のいくつかが大学受験までの段階でかなり決まり、また受験で問われる能力と正の相関を持っているとすれば、「飛びぬけて優秀」な層が集まるのはどこか。まず東大(関西なら京大も)です。次に、優秀だけど何らかの要因で落ちてしまった人達が慶応等に集まるでしょう。その結果かどうかは知りませんが実感として、一橋の底の厚さ、すなわち相対的にそう強くない人の優秀さは凄いと思いますが(ほぼ誰とでも「議論」が成立するというのは凄い)、「飛びぬけて優秀な層」は本当になっかなか見ない。外資就活においては平均でなく、上方向の異常値の絶対数が重要なのかもしれません。


以上踏まえて、後輩に(特に一橋の後輩に)何かアドバイスすることがあるとすれば、「とにかく外に出て、違う環境を経験してこい。いろんなことやれ」というのが一番出したいメッセージです。よく言われる「何か一つのことに打ち込め」というメッセージとは真っ向から競合しますし、どちらを選ぶかは個人の好み次第ですが、僕は完全にこっち側。他大のサークルでも、勉強会でも、インターンでも海外留学でもネットのオフ会でも何でもいいかと。自分が普段過ごしているコミュニティと違うコミュニティをどれだけ持っているかは、その人の視野の広さ、思索の豊かさに直結します(知識や経験の絶対量が増える上、コミュニティ間での知識経験の流用、あるいは融合が可能なため。ネット友人「とつげき東北」とかの特技)。外ですっげー優秀な奴とか、すっげー変な奴と友達になって、その良い部分を継続的に取りこんでください(´・ω・)