10月から就活始める人のためのマニュアル
はじめに
この記事では、10月から日系企業内定を目指して就職活動を始める大学生を対象にして、就職活動のノウハウをまとめています。特に、「とりあえず就活というのを始めてみようと思うけど、何やっていいかわからない。他大生とかバリバリ就活してるらしいし焦る」という人には、必要な情報を大体まとめているので一読してもらえればと思います。
就職活動の概要
就職活動のプロセスは、大まかに表すと以下のような感じです。
情報収集(各種企業説明会/OB訪問/書籍/日経テレコン)
↓
エントリー(ES=エントリーシートを書く)
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選考(筆記試験/グループ面接/グループディスカッション/個人面接)
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内定
外資系企業は選考が早いのですが、日系企業を中心に受ける場合、年明け位までは情報収集と筆記試験の勉強が中心になるでしょう。またこの時期に、業界やビジネス全般についての基礎知識をつけておくと望ましいです。具体的に何をすればいいかは次節以降で説明します。
就職活動が本格化してくる3月や4月には、「今週は○○社の面接と××社の筆記試験を受けて、ESを3つ書いて、△△社のOBの人と会って…あの業界よく知らないから会う前に調べなきゃ」というように、全てのプロセスを同時並行でこなすことになります。情報収集やESの作成は、慣れてくれば質もスピードも向上するので、本格化する前にしっかりと経験を積んで作業効率を高めておけば、忙しい時期にもあまり苦しまないで済むでしょう。
情報収集
情報収集を行う目的は、「世の中にはどんな企業や仕事があって、どんな人達が働いているのか」について、具体的(ここ重要)なイメージを固めていくことです。これを行わずに、「自己分析」と称して、昔の思い出を引っ張り出しながら「よく考えたら僕は人の役に立つ仕事がしたかった!」と言い出すような恥ずかしい行為が世間では就活の始まりとされていますが、時間の無駄だし有害なのでやめましょう。最初から選択肢を狭めることはありません。
では、具体的な情報収集をするためにはどうすればいいでしょうか。セミナーや就活イベントに出向き、本を読み、社会人と話すことを僕はお薦めします。それぞれの方法について、具体的な方法や利点、欠点をまとめました。
<セミナー・説明会・就活イベント>
セミナーや就活イベント(以下イベント)に出席するのは、最も手軽に始められる情報収集です。なぜならイベントに出席すれば、自分が何も知らない状態でも向こうから色々な情報を提供してくれるためです。その反面、イベントに出席してもあまり深い情報や沢山の情報は手に入らないし、他の人に差をつけることもできないということは覚えておいてください。それなりに知っている業界について詳しい事情を知りたい時や、社員さんにじっくり質問したい時には、書籍やOB訪問を利用することをオススメします。「このイベントから何を学ぶのか」という目的意識を持って行かないと、時間と交通費の無駄になりますよー。
具体的な参加方法としては、参考資料の「有名就活関連webサイト」をチェックすればイベントの情報が見つかるので、ネットから参加申込みを行えばOKです。大規模な就活フェア等は申し込み無しで行ける所もあります。大学主催のイベントもおすすめ。
10月から就活を始める人は、六本木アカデミーヒルズや東京ビッグサイトで行われるような大規模就活イベントに一度は行ってみてください。見渡す限りリクルートスーツを着た学生だらけで、「世間ではもう就活が始まってるんだな…」というショックを受けると思います。僕は昨年6月に結構なショックを受けました(余談ですが、慶應とかは6月あたりからキャンパスがスーツを着た3年生だらけになるそうです)。
<書籍・雑誌・インターネット>
セミナーや就活イベントと比べると主体的に情報を集めに行く必要がありますが、書籍や新聞、ビジネス関係の雑誌を読むのは、就活序盤の情報収集で最も有用な方法です。具体的には以下のようなものをチェックするといいでしょう(●印は絶対チェック!)。
●日経業界地図/日本経済新聞社編 1050円
- 作者: 日本経済新聞社
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/09/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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様々な業界の概要や大手会社情報、注目されているトピックなどが見開き2ページでまとまっています。辞書的に使ったり、セミナーやOB訪問の前に下調べをしたり、ESを出す際の企業リストとして使ったりと非常に便利なので絶対に買いましょう。「業界地図」は他にも色々な出版社から出ていますが、どれかの最新年度版が1冊あればOKです。
・業界研究本/各社 (例:○○業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本)
業界地図の内容が詳しくなった感じの本です。どこか強く興味のわいた業界ができたら買ってみてもいいと思いますが、基本的には立ち読みで十分でしょう。部室にも古いのが何冊かあるけど、業界動向は数年で目まぐるしく変わるので読むなら最新版を。
●日本経済新聞
新聞はこれ一択(図書館にあるし、わざわざ他社から契約し直す必要はないけど)。最新情報が追えます。最初は知らない用語が多くて戸惑うと思いますが、わからない言葉があったらその都度google等でチェックしていくとビジネス全般や業界の有用な勉強になります。
●日経テレコン(利用できる場合)
大学によっては、日経テレコンというPC端末からアクセスできる日経新聞の過去記事データベースを導入している所があります。キーワードや期間を決めて検索ができるので、これから面接を受ける特定企業、特定業界の情報を集める時などに超便利。本来は有料で結構高いサービスなのですが大学図書館なら使い放題なので、大学生のうちにたくさん使っておきましょう。
・ビジネス誌
「日経ビジネス」「週間東洋経済」「週刊ダイヤモンド」など。最初の情報収集の段階では読む必要がないと思いますが、結構面白いです。大学図書館の雑誌棟にあるので読んでみてください。
●各企業webサイト
意外にたくさん大事な情報が載っています。面接や選考の前は当然ですが、セミナーに行ったりOB訪問をする際にも、どの企業の人が来るかわかっている場合には10分位チェックしていくと現地での理解が深まります。
・その他就活サイト
「リクナビ」「マイナビ」はじめ就活サイトはたくさんありますが、知りたい情報がはっきりしている時には業界本や日経テレコン、企業webサイトの方が役に立ちます。有用なノウハウがあったり皆がチェックしているサイトについては、参考資料の「有名就活関連webサイト」にまとめておきますのでチェックしてみてください。
OB訪問は、上手に使えば有用かつ他で手に入らない情報(深く、具体的で、自分がピンポイントで欲しい情報)が手に入る方法です。そのためには、事前に業界や企業について調べ、知りたいことや疑問点を明確にし、意味のある質問を持参して臨む必要があります。業界や企業のことを 何も知らない状態で行くのは、実りがないばかりか時間を割いてくれている相手に失礼です。最低でも5個〜10個くらいは質問をちゃんと考えて行きましょう。
社員さんにアクセスする方法はなんでもよく、極端に言えば終業時間ごろに会社の前で待ち伏せをしたっていいと思いますが、やはり大学キャリア支援室やサークル、ゼミの持っているOB名簿を使うのがスムーズでしょう。電話は最初だけ勇気が要りますが、相手だって用件を話せば就活生のOB訪問であることはわかりますし、遠慮なくかけてよいでしょう。
ビジネス全般の勉強
情報収集をする際に、ビジネスにおいて常識となる知識(例えば会計、統計など)を軽く押さえておくと理解が早まります。10月〜12月の早い段階でぜひ以下で紹介している本のうち数冊を買うか借りるかして読んでください。特に「世界一わかりやすい会計の授業」と「わかりやすいマーケティング戦略」は必読。記事はタイトルをgoogle検索すれば見られます。
自己分析はするな-就活序盤の理想的な過ごし方を提案
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100420/1271765391
エントリー、選考プロセス
まず大事なことを二点覚えておいてください。
一点目。どんなにできる人でも就活の選考って割と落ちるものです。倍率100倍とか1000倍とかざらですし。ですから、一つの選考に落ちたからと落胆する必要はありません。ただし、ESや筆記でいくつも落ちる場合には、何かしらの改善点があると考えましょう。
二点目。面接にしろGD(グループディスカッション)にしろ、本番を受けた場数が成果に大きく影響するので、数を受けるのは重要です。経験を積めば詰むほど緊張や変な力みがなくなり、本来の力を人前で発揮できるようになります。冬のインターンも本選考も、時間の許す限り最大限エントリーしましょう。もちろん、情報収集で足場を固めるのも忘れずに。
ESの具体的な書き方については昔書いた記事があるのでこちらを参考にどうぞ。
気の早い人のための夏インターン対策 ES編 -kanedoのブログ
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100411/1270989914
あなたのESが通過しない5つの理由+1 -外資就活ドットコム
http://gaishishukatsu.com/archives/2181
<筆記>
就活の筆記(webテスト等)は中学受験と似ているので、中学受験を経験した人はあまり対策しなくても大丈夫です。色々なテスト形式を浅く広く扱ったテキストとして、以下の1冊だけチェックすれば十分でしょう。
●筆記試験の完全攻略/日経就職シリーズ
(日経就職シリーズ) すべての問題形式を誌上に再現!!筆記試験の完全攻略2011年度版
- 作者: 内定ロボット,日経就職ナビ編集部
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中学受験を経験していない人は、時間と手間をかけてじっくり対策をする必要があります。面接で「自分は使える奴だ!」とアピールする機会も与えられずに筆記で振り落とされてしまうのは勿体ないので、10月からしっかりと取り組みましょう。有名な問題形式はSPI、GAB、CABなどなど。各形式1冊ずつ参考書を最初から最後まで解けば、筆記で落とされることはなくなると思います。
<グループディスカッション>
経験値がものを言います。「熱くならず一歩引いて議論すること」を意識して下さい。
未経験者のためのGD講座-kanedoのブログ
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20090928/1254104523
グループディスカッション初心者のためのtips-外資就活ドットコム
http://gaishishukatsu.com/archives/1373
<面接>
これはもうどう乗り切るか個人次第だと思うので、一般的にアドバイスできることはありません。ESで書いた志望動機や自分の強み弱み、将来やりたいこと等については高確率で深く聞かれるので、ここまでに書いてきたような各種情報収集を怠らず、ESの段階でしっかりとしたものを書いておけば、面接で戸惑うことはなくなるでしょう。
おわりに
長々と書いてきましたが、つまる所就活の序盤、10月〜12月頃にやるべきことは、以下の3つに集約されます。
・セミナー、書籍新聞、OB訪問によって、広く企業や業界を知る・ビジネスの世界で常識となっている知識(会計やマーケティング)を少しかじる
・冬のインターン募集情報を見つけたら、とりあえずESを書いて応募する
あと推奨することはこれ。
「業界地図」
「世界一わかりやすい会計の授業」
「わかりやすいマーケティング戦略」
を購入して熟読する。全部で4500円くらい。
これらを今からきちんとこなして経験値をためておけば、3月や4月になっても焦る必要はなくなりますし、内定も自然とついてくることでしょう。
大学やサークルも忙しい時期だと思いますが、頑張ってください。
参考資料
<有名就活関連webサイト>
日経就職ナビ
https://job.nikkei.co.jp/
jobweb
http://student.jobweb.jp/
就活関連の情報が充実しています(情報過多で読みにくいですが)。
セミナー情報やインターンを探すのに役立ててください。
<有用な個別サイト>
外資就活ドットコム
http://gaishishukatsu.com/
外資系への道標
http://gaishi.seesaa.net/
対象読者は外資系企業を受ける学生ですが、日系企業を受ける人にも有用な情報(特に、筆記や面接を切り抜けるためのノウハウ)がたくさんあります。
<個人サイト>
ここでつらつらと書いたのと似たようなことがまとめてあります。趣味です。
kanedoの就活記事まとめ
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100617/1276715551
まだなんかあったらきいておくれ(´・ω・)