氷河期くるよー(´・ω・`)

外資系とか金融業界に就職したいと思ってたけど、金融危機でやばそうだからやっぱり日本大手に行きたい。最近強いみたいだし…」


非常にありがちな今時の就活生の意見ですね。これは一面的に正しく、いくつかの面で大きく間違っていると僕は考えてます。


まず正しい点。金融機関、特に外資系証券は紛れもなく今超やばい。俺らが就活する年に新卒採用をするかどうかすら怪しいところがたくさんあるでしょう。


間違ってる点その1。「まだ超やばいのは金融くらいだけど、ちょっと遅れて他(実体経済)も超やばくなるから、金融から離れても危険から逃れられない。」証拠を示しましょう。以下は今期決算で最終損益が増加した業界と減少した業界。先々週の日経新聞にあった記事。

増加
商社、紙・パルプ

減少
食品、繊維、科学、医薬品、石油、鉄鋼、非鉄金属、機械、電気機器、造船、自動車・部品、精密機器、建設、小売、不動産、陸運、空運、通信、ガス、電力

ちなみにこれを見て「よし、商社に就職だ!」と思った今時の就活生は度胸があります。商社が稼いだのは原材料がアホほど高騰して海外の資源開発事業が儲かったからですが、今の原材料価格は先週の日経新聞によるとアホほど下落しているので、儲けた分を速やかに吐き出すことになるでしょう。紙パルプはまぁ、よくわからんけど頑張ったと思う。みんな就職して大学時代あれだけ無駄にした紙を売ればいいんじゃないかな。

円高や海外の不況でダメージを受ける輸出産業だけでなく、日本内部で完結するサービス業も減益という凄惨な状況ですが、まだまだ相当にマシです。なんだかんだ言ってほぼすべての業界で最終損益は黒字ですし、リストラ旋風も起きてません。外需、内需、投資の激減が実体経済を襲う本当の恐怖と就職氷河期はこれからだと思っていいでしょう。ちなみに来年あたりから就職マジでヤバイ心せよというのは、斎藤誠教授や小川英治教授のような一橋の金融系教授も最近よく言ってます。とりあえず、平和な時代に就職した先輩達のありがたい助言は右から左へ左からどこかへ聞き流す必要があるでしょう。


間違ってる点その2。「日本の本当のやばさはこれからという上記の理由により、日本企業最近強いという情報も過去のものとなる。」円高に反応して株価が暴落したことは、そんなに頼りにならないがマスコミや先輩の下馬評よりはまだ頼りになる投資家の集合体(市場)がそう思っていることを意味します。僕の世界観だと、安全なところなどもとよりどこにも存在しません。


間違っている点その3。「上記のような典型的就活生は元々ただのミーハーで外資就職には結びつかず、リスク承知で外資に行きたいと本当に思っている奇特な人(私のような)は、この状況にビビる一方結構わくわくしている。」

まず第一に、今の悲惨な状況は永遠に続くわけではありません。5年は続くかもしれませんが10年20年は続かないでしょう。長期的に成長できるのは組織の膿や贅肉を落とすことに成功した企業ですから、今を犠牲にして損失を確定させ、大リストラで次の戦いに備えつつある外資系金融は、嵐が吹くとわかっていながら対策を打っていない日本の大企業より10年後の再生が期待できます。

第二に、入って生き残ることに成功すれば人が少ないというのは回ってくるチャンスが増えるということであり、特に業界全体である年代の人材が非常に少ないという状況になれば、その少ない中にいる優秀な人にとっては非常に有利です。そういう意味では、企業名より仕事内容にこだわって就職すれば人の取り合い状態が起きた時によい転職のチャンスが豊富に生まれると考えられるので、もし外資金融がほとんど人を採らないなら外資に執着する必要はないでしょう。そう広い業界でないので成果を出せばいずれチャンスが来ます。

第三に、ミーハーがどっかいって応募人数が減るのも実は優秀な人に有利に働きます。ちょっとした不運で優秀な人でも機械的に落ちるような筆記の比重が減り、面接やジョブでの切磋琢磨になると予想されるからです。


というわけで、僕はいまだとっこむ気満々でいます。こういう時にワクワクするくらい頭のネジ外れてないとあーいう世界には向いてないかもと言い聞かせつつ。きっと他にも頭のネジが数本外れてる優秀な人がたくさんいるので激戦になるでしょう。来年夏までに簿記1級とTOEIC満点周辺目指してとりあえず漫画を読もう(´・ω・`)