結婚制度ってどーよ

※手違いで教育についての記事をこれの上に上書きしてしまい、キャッシュからこの記事を復活したので順番がおかしくなりました。mixiとかからもう既に1回見た人はごめんね(´・ω・)



前の日記で、どうせ言っても無視される自分の意見としてぼそっとあげた「法制度としての結婚は廃止すべき」という考えについて少し掘り下げてみる。ちなみに、別に俺のオリジナルな提案というわけではなく、例えば上野千鶴子のおばちゃんなんかも(この人好きだけどね)何かの本で同じ主張をしていた気がする。


これは別に、今成立している夫婦を離婚させろとか結婚式を禁止しろとかそういう主張ではなく、要するに「法律婚事実婚、同姓婚その他新しいあり方を同等に扱え」ということだ。俺がこの意見に賛同する理由は、結婚をしないという選択に課されたデメリット、中でも特に非嫡出子(結婚してないカップルの間に生まれた子供)に対する差別が、最も子供を養う力があり意欲もある層をげんなりさせて出生率を押し下げており、いまや合理的に考えればデメリットの方が大きい結婚に向かうよう、人々にストレスをかけているためだ。


恋愛や結婚には、関係の悪化や離婚の可能性がどうしてもつきまとう。結婚しろという圧力が減った都会では、特に生活力があり、精神と肉体の自由を好む優秀な人間の中に、結婚に潜む大きなコスト(慰謝料、もう一緒にいたくない人間と過ごす精神的コストやチャンスロス等)を割に合わないと感じ、結婚に魅力を感じなくなった人々がいる。しかし、上記のようなコストは恋愛そのものでなくそれを取り巻く制度から生じているので、別に異姓と付き合いたくないとか子供が欲しくないというわけではない。ならば制約の少ない事実婚をすればいいのだが、税金の控除が無いことや社会保障などに手続き上の面倒さがあることの他、特に非嫡出子に対する法的、社会的差別が、未婚のカップルに子供を持つことをためらわせる。


俺の考えでは、今まで通りにやりたい人はそれで全く結構。新しいあり方(互いの自由を束縛しないための事実婚以外に、一夫多妻、多夫一妻、同姓カップルとその養子等)が不利になるような障壁だけ排除していただきたい。法律婚の廃止とまでいくと急進派で、フランスで採用されるPACS制や同姓婚を現状の制度に組み込んでいくのが現実的だと思うが。


ちなみに、この国においてこうした主張が受け入れられることは、俺とmy sonが元気なうちにはないと思っていいだろう。俺は東京生まれ東京育ちで実家も東京なので完全に都会の論理でしゃべっているが、俺の主張は田舎の社会基盤に組み込まれている田舎の論理からすればまったく頭のおかしい意見だからだ。そして言うまでもなく、この国は田舎の論理で動いている。前の日記で書いたように、我々に許されているのは選ぶことだけだ。事実婚を選ぶか、自由を愛し論理の言葉を理解できる嫁さん旦那さんを選んで、万一関係が壊れた時の慰謝料、親権、財産分与等について結婚前にしっかり話し合って婚前契約書を作るか、めんどくさくなって普通に結婚するか。俺自身については全く想像がつかない。