「twitter就活」に異議を唱えてみる。

結論

「就活にtwitterを活用!」的なのがにわかに流行りつつあるが、就活生はtwitterを使わないか、最低限鍵付き(アクセス制限)にしたほうがよい。「意識が高い人がtwitterを使っている」というのは嘘であり、正しくは「twitterはコンテンツ生産者と暇人のもの」である


本文

最近、ネットの世界でtwitterが熱いようです。書店に行っても、「twitterの活用法!」「○○twitter!」といった感じの書籍が平積みされ、雑誌に特集が組まれています。その中に時々、「就活にtwitterを活用しよう!」というようなものが見られるのが気になりました。どうやら、ツイッター就活という本も出版される模様。


しかし、僕個人としては、就活生がtwitterをがっつりと使うことはあまりおすすめしませんこの記事で書いているように、特にあまり忙しくない時期の学生にはネットの力を活用して欲しいと思っていますが、就活中(特に忙しい時期)はtwitterを使わないか、鍵付き(自分が認証した人しか見られない)にした方が多くの人にとってはよい。僕自身は就活の時にはtwitterを使っておらず、就活後にブログやtwitterでの活動を本格化させました。


僕がこう主張する理由は以下の二つ通りです。

●ムダな時間を食い、コストが便益に見合わない
●選考を受けている会社の人に見られるリスクがある

順に説明していきます。

※以下ではtwitterのシステム等に関する解説は省きますので、twitterをやってないけど興味のある人はtwitter公式ナビゲーターでチェックしてください。


●ムダな時間を食い、コストが便益に見合わない

twitterは自分のTLが常に更新されるため、暇つぶしのエンターテインメントとして非常に完成度の高いツールです。ただし、そこにある情報を「有意義かどうか」で分けた場合、90%以上はノイズになると考えられます。就活に必要な情報はネットや本で7割、残りも社員さんと直接話すことで全て得られると思いますので、就活まっただ中の貴重な時間をtwitterに使う必然性はないでしょう(もちろん、「暇つぶし」と始めから割り切るならそれはいいですが)。「就活友達と有意義な情報交換をするため」に使っている人もいるでしょうが、こちらでも書いたとおり、就活はサークル活動や仕事と違って基本的に孤独な個人ワークなので、必ずしも就活友達を作る必要はありません。


●選考を受けている会社の人に見られるリスクがある

これは企業にもよるでしょうが、特に大企業の選考プロセスは比較的デリケートです。直接企業を中傷したり、コンフィデンシャルな情報を発言している場合は論外として、例え言わなかったとしても、ネガティブな発言やネット友達相手に見せている交流方法が選考にどう影響するか予想できません。余分なリスクは取らない方が得策でしょう。最低でも本選考の多い期間中はアカウントを鍵付き(許可した人のみに発言が見られる)にすることが得策かと思います。完全匿名でも、gmail等から追跡できる場合があるので、完全匿名/身分非公開でやっていても100%大丈夫とは言えません。


twitterやブログはネット上で積極的に発言して注目を浴びている人やコンテンツの生産者、フリーのビジネスマン等にとっては有効なツールですが、大多数の「消費者」にとっては、楽しさは別として実用的にそれほど生産的なツールではありません。エンターテインメントと割り切りつつ、時間がある時にだけ有効活用するとよいでしょう。

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