読書録その他(1/9)


●今週読んだ本

日本の優秀企業研究―企業経営の原点 6つの条件 (日経ビジネス人文庫)

日本の優秀企業研究―企業経営の原点 6つの条件 (日経ビジネス人文庫)

希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学

希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学

これがニーチェだ (講談社現代新書)

これがニーチェだ (講談社現代新書)

VBA の絵本

VBA の絵本


暇だったのでたくさん読みました。一冊目、二冊目は特にオススメ。一冊目は経営に興味のある学生に、二冊目は全ての学生、社会人、ニートに(´・ω・)


一冊目は、不況下でも優れた成果をあげている日本企業を対象にヒアリング等の調査を行い、そこに共通する法則を提唱する、地に足のついた一般向け経営学書です。これを読んでいると「経営コンサルタントなんて実は必要ないんじゃないかな…」と思う瞬間もありますが、三番目の法則「客観的に眺め不合理な点を見つけられること」については、コンサルティングファームが活躍する余地が大いにあると思いますし、コンサルティングファームはあくまで裏方であり、クライアントが「自分の力で改革した」と思ってくれるような仕事ができれば、実はそれが一番かもなぁとも考えます。文字通りそう思われた場合「あいつらは何をやってたんだ」と言われてしまいそうですが…。また、kanedoの専攻分野に近い「組織の経済学」の観点から分析をサポートする補論も充実していますので、経済学の理論が企業経営の分析にどう役立つのか見てみたい人にもオススメ。伊藤秀史ゼミ(kanedoが3年のゼミ幹やってます。13日に2201で13時55分からゼミ紹介するのでおいで)に入りたいなぁと思って調べてたらなぜかこのページに辿りついてしまった奇特な方も、高い本でないので買って読んでみてください(´・ω・)

※追記:伊藤秀史ゼミのゼミ紹介の時間が変わりました。


二冊目は、現状の日本経済を経済学的に分析したエッセイ。池田信夫ブログをずっと読んでる方は改めて読む必要ないかもしれませんが、そうでない学生は一度前半(日本経済が抱える大問題、特に雇用と労働の問題について)だけでも読んでみることをオススメします。「小泉改革で格差が拡大した」という嘘(参考資料のグラフ1枚で否定できます。)を信じている方も是非。ただ、「自分の道は自分で切り開く!」というマッチョ系の学生が池田信夫ブログだけを見て、自己肯定のために素朴な自由主義を信奉するのも、あまり健全では無い気がします。資本主義や市場経済、民主主義といった制度の意義と限界について書かれた良書を読んでいけば、自由主義がマッチョの観点だけでなく、より広い社会的観点からも擁護されうる(とまぁkanedoは思ってますが)ものだとわかると思います。勉強してみたい方は以下のような本をお好みでどうぞ。いずれも名著です(´・ω・)

資本主義と自由 (日経BPクラシックス)
市場を創る―バザールからネット取引まで (叢書“制度を考える") (叢書“制度を考える”)
自由論 (光文社古典新訳文庫)
グローバリゼーションを擁護する
自由はどこまで可能か=リバタリアニズム入門 (講談社現代新書)


参考資料:日本の所得格差を表す代表的指数(ジニ計数)は、90年代から継続的に上昇し、小泉政権下では下降
http://www.oecd.org/dataoecd/45/58/41527388.pdf