未経験者のためのGD講座(理論編のつもりだったがめんどくなり完結)

こんばんは。わたくし別にまだ内定とか取ってないし、偉そうに就活対策を語るほどの身分でもないのですが、選考方式の中でもGD(グループディスカッション)だけは、まぁ人にいくらかの示唆を与えられる程度にノウハウが蓄積したと思うので、まだ就活を始めてないけどそろそろ始まるしどうしよう…という人のために、ここでまとめておきたいと思います(´・ω・)



グループディスカッションでぐぐれ。



欧州投資銀行B社…合格 
日系投資銀行D社…失格
日系コンサルD社…失格
欧州投資銀行D社…合格
日系コンサルC社…合格
※このあと秋〜冬でまた5つくらいやったので、そこで学んだことは下に追記

この程度の経歴ですが、よければ参考にどうぞ。GDは全ての企業で選考に使われているわけではありませんが、結構ポピュラーなので意識しておいた方が得策だと思います(´・ω・)



GDでは「本番の」経験が大事です。就活支援団体などが開催している練習会と本番では、竹刀でのしばきあいと真剣のしばきあいのように性質が違う。真剣でしばき合ったことないけど(´・ω・)


練習会ではインターン参加や内定がかかってないので、みんな協力してチームとして最善の答えを出そうとしますが、「アピールしなきゃ」というプレッシャーがある本番では、みんなが協力的に動いてくれるとは限りません。議論の流れを無視して自分の意見を出す人、通り過ぎた議論を蒸し返す人、根本的な前提を共有できてない人等にどう対処するか、また自分がそういう人にならないためにどうするかというのは、実践の中で身に付けるしかないのだと思います。一刻も早く就職活動をはじめ、選考がかかったGD経験を積むことを推奨します。なお、最初の1〜2回、GDという選考方法の雰囲気をつかむ上では、練習会的なものに参加するのもいいと思います(´・ω・)



練習会に1〜2回参加して、やり方の雰囲気をつかむ。

経営学や会計の入門書を1〜2冊読んで「どういうことが問題になるのか」「どういう点に着目した意見を出せば的外れにならないか」を学ぶ。

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ひたすら実践経験を積む。経験の豊富そうな人、場の雰囲気をつかむのが上手い人のマネをする。経験したGDをふりかえって改善点を考える。他の人に話を振る。場をマネジメントする。<具体的なGDの戦い方>
GDの中には「アイデアを出しなさい」というものもあるかと思いますが、ここでは与えられた問題に対してどんな意思決定を行うか決める「問題解決型」のGDを想定します。財務資料等の資料が与えられる場合と問題のみの場合、また一人で考える時間をもらえる場合といきなり討議に入る場合がありますが、具体例としては以下のような感じ。


・ある公立中学生の教師に、生徒の国語力を高めるにはどうすればいいか依頼された。どんなアドバイスをする?(資料なし)
・面接に行く途中の道で車が故障してしまった。面接まで2時間。どうする?(資料なし)
・飲食チェーン店の新しい出店候補地が3つあるのだが、どこがよいか?(資料あり)
・日焼け止めクリームを製造している会社で新商品ができたが、これを販売すべきか?すべきならどれくらいの価格で、どう販売すべきか?(資料あり)


さて、問題解決型のGDに決まった正解はありませんが、進め方については正解とでも呼ぶべき問題解決のプロセスがあります。それは以下のようなものです。丸暗記してください


①目的を「具体的に」定める
(生徒の国語力を高めるというのは具体的でない目的。国語力が高まる、というのはどういう状態?販売戦略を決めるというのは、何を決めればいい?製品がターゲットとする顧客とか価格とか、広告とかどう売るかとかを決めて初めて具体的ですね)
②現状を評価する。解決すべき問題(売上の減少、若者の活字離れ等)が与えられている場合でなく、自分で探さなければいけない(利益を上げるにはどうする?等)場合は、ここで問題を特定する。
③問題を要素分解して、解決策の方向性を考え、具体化する
④目的達成に与えるインパクトや、予算や実行に使える時間といった制約条件の面から解決策を評価して優先順位をつける<序盤>
GDが始まったら、上のプロセス以前に最初にやるべきことは「時間の使い方を決める」ことです。最初は「最後の5分でロジックを確認してまとめましょう」みたいな感じでやってたのですが、可能ならば上のプロセスに従って具体的に決めてしまった方が、脱線の余地が少なくてよいかも。「最初5分で必要な定義や目的の設定、次の5分で現状評価、10分使って解決策を洗い出し、最後の10分で順位付けをしましょう」みたいに。まぁ、こういう区切られ方が嫌いなメンバーもいると思うので、臨機応変で。時間配分が大事なことだけは頭のスミに置いておいてください(´・ω・)
※追記:まぁ、時間は3分割くらいすれば十分みたいです。


あと、最初の段階で
「誰がリーダーやりますか」
「タイムキーパーやります」
「最初に各自で10分考えましょう」
みたいな変なこと言う人がいますが、とめてください。リーダーが話を振らなくても積極的に発言していくべきだし(黙っている人がいたらそれに気づいて振るのは良いですが)、時間の使い方が決まってないのにタイムキーパーもくそもありません。一人で考える時間は自分が何を考えているのか面接官に伝わらないし、考えてる問題が各自バラバラだったりするので論外(GD前に与えられてる場合は別)。こういうダメな仕切りには、
「進め方決めて、みんなで進めていきましょうか」
「時間はみんなチェックする感じでいきましょうか」
「問題をしっかり定義しないと一人で考えても意味がないので、みんなで問題をしっかり定義して話しましょうか※追記で少し変更」
みたいな感じで軌道修正をかけてください。最後の「か」が大事。同意を求める姿勢大事。豊かな表情と大きめの声も大事。相手の意見を否定する前に「〜という面はいいと思いますが」みたいに一度ほめたり、結構ロジック以外でのそういう手続きがスムーズな運営のために大事だったりしますよね(´・ω・)


GDで重要なのがチームとして良い成果を上げることと、その成果に貢献することなのは間違いないですが、そもそも一人で与えられた問題を解決できないレベルではGDでも良い成果は出せないというか、言ってしまえばまともな人の集まったGDではお荷物です。問題解決のプロセスを共有し、自分で問題を解決する切り口を持った上で、自分の持っていない人の切り口と合わせてみんなで問題をよりよく解決するのがまっとうなやり方で、皆集まれば一人で解けない問題も自然と解けるだろうというのは幻想。協調性とか独自の意見とか曖昧なものを追究する前に、まず「きちんとした問題解決」を追究してみてください(´・ω・)


もうひとつ大事なのが、よく言われる言葉だと「見える化」ですね。ホワイトボードや白紙を使い、今何をしゃべっているか、どんな意見が出たかをみんなに見えるように共有することで、「その論点さっき出た気がするけど忘れた…」を防いだり、ずれた意見を言う人に対して「今はここの話をしてるので、論点をここにしぼりましょう」と言うことができる。これは議論の生産性に大きく影響します。そういうわけで、リーダーやタイムキーパーはいなくてもいいけど、書記は必要。理想は、自分が時間配分等のフレームを提案して、そのまま書記として機能してしまうことですね(´・ω・)

※追記:書記は無理してやる必要はありません。作業が増えるとどうしても視野が狭くなるので、最近のkanedoは一歩引いた視点から問題を整理、共有しつつ、新しい視点を提供してみんなの視野を広げつつ、気づいたら自然と議論の中心にいて発表を担当しているという感じを目指しています。自分から先陣切って話題を引っ張ろうとする人は、かつての自分も含め、だいたい視野が狭い。


追記 (12/13)

経験をもう少し増やした結果「最初に各自で○分考えましょう」については、否定しないことにしました(ただしせいぜい5分)。「どの製品を売るべきか?この製品をどう売るべきか?」のような問題であれば、何が話題かがはっきりしているのでいきなりスタートして大丈夫です。しかし例えば、「海外からの留学生を増やすにはどうすればいい?」のように、誰がその戦略を行う主体なのか(大学、地域、国家)、どのような対象を意識するのか(高校生や大学生なのか、社会人MBAなのか、出身は欧米なのか途上国なのか)、期間はどれくらいか、目的の目的は何か(税収を増やしたい、少子化を防ぎたい、教育大国になりたい)など、問題が複雑で構造や設定すべき仮定が不明瞭な場合は考える時間をおいたほうがいいですね(´・ω・)


それと上では扱わなかったのですが、「意見が対立したときにどう動くか」というのは、GDの難しいところでもあり、面白いところでもあります。基本的には多数決でなく、自分のロジックを示し、相手のロジックにおかしいところがあれば指摘するというように、論理を重視する必要があります。でも、ロジックで勝っている場合、対等な場合、負けている場合など色々あり、各々の場合について「相手の意見に合わせる(撤退)」「2、3回自分の意見を擁護/相手の意見の問題点を指摘して、それでも流れが変わらなければ折れる」といった意思決定をする必要がある。大勢がくつがえらないのに自分の意見に固執するのは時間の無駄ですし、融通がきかないやつだと思われる可能性があります。まずは自分の言っていることと相手の言っていることを、現在チームが目指している目的に照らし合わせて客観的にどっちが正しいか判断したうえで、柔軟に動きましょう。このへんの駆け引きは経験が必要。当然ですが、ロジックの強弱と関係なく無根拠に折衷案をとるのはNG(´・ω・)

kanedoの意思決定は大まかに以下の通り、
1,ロジックで負けてるな→即撤退

2,ロジック対等、でも数で負けてるな→即撤退

3,ロジック対等、数も対等→難しい。相手を論理的に説得。完全に対立する方向性(値下げor値上げとか)でなければ、両者のよさを盛り込んだ折衷案をとってもよい

4,ロジック対等、数で勝ってるな→賛同者を巻き込み、粘ってる人を説得。完全に対立する方向性でなければ、両者のよさを盛り込んだ折衷案をとってもよい

5,ロジック勝ち、数は勝ってるか対等→まぁほっとけば正しい方向に進むでしょう

6,ロジック勝ち、でも数で負けてる→難しい。kanedoの場合、相手の決定的な矛盾を指摘して数をひっくり返したこともある。相手も主な論客は大体1人とかだから「こいつに同調しとけばOK」と日和見派に思わせれば勝ち。直感的には勝ってるっぽいものの相手に決定的な間違いがない場合、あるいは1〜2回粘って無理だった場合は引く


結局のところ、自分と相手の両方にロジックがある相手は、倒すにしても協力するにしてもどうにかなる それよりも厄介な状況(現実でも多分同様)は、ロジックがない上に話を聞かないやつが多数派でばらばらになってる時。何を話しているかすらわかっておらず、決めることもできず、枠組みを提供しても無視される状態。これをやられた場合、最優先すべきはイラつかないことで、あとはなんとか形になるように誘導しましょう(´・ω・)


あとここからは当たり前のことばかりですが、人の話は聞いてください。自分が発言する時だけ元気で、あとは電源OFFみたいになるのは感じ悪いです。あと、人の発言をわざわざまとめ直す(という名目で復唱する)のも時間もったいなくてうざいのでやめましょう。何か言う時に「〜さんはこういう意見を言ってくださって、それもよいと思うのですが」みたいなのもいらん。名前覚えてます+人の意見認められますアピールあざとい。でも、基本的には強い調子にならず、謙虚っぽい語り口の方が政治的にはいいよね。自分の発言に仮説や前提があるならそれは「あくまで仮説ですが」とつけるべきだし、人の意見ぶった切るときには同意すべき部分は同意し、また人を斬らずに意見だけを斬るように。あと、事実の裏付けなく「かなり〜」「非常に〜」「全く〜」みたいな強調の副詞を多用する(私大学部生に多い。あとなぜか自信満々)のも頭悪く見えるからやめたほうがいい。議論は客観的な場なので、勢いでなく事実と仮説で語るべき(´・ω・)


そんじゃがんばってね(´・ω・)